ユーザックシステム、流通BMSに対応しプログラムいらずのEDIパラメータ設定変更だけでほとんどのデータ形式に対応

» 2008年09月30日 00時00分 公開
[大津心,@IT]

 ユーザックシステムは9月30日、流通業界向けのEDIシステム「EOS名人.NET」の販売を開始すると発表した。特徴は、大手小売業者などが音頭を取って策定した業界標準「流通ビジネスメッセージ標準」(流通BMS)に対応した点だ。

 EOS名人.NETは、小売業者と取引する卸・メーカー向けのオンライン受発注システムとして、これまでに300社以上に採用されているEDI(Electronic Data Interchange)ソフトウェアの最新版。このバージョンでは、実行環境に「.NET Framework 3.5」を採用したほか、インターネットを介した通信規格である「JX手順」をサポート。そのほか、利用者認証や操作ログ保存機能などを搭載し、内部統制対応も強化したという。

EOS名人.NETイメージ EOS名人.NETの画面イメージ。このように項目と項目を線でつなぐだけでデータの変換ができる

 流通業界は20年以上にわたり、レガシーEDIと呼ばれるJCA手順や各社個別の手順を採用しており、卸やメーカーは小売業者に合わせたデータ方式を個別に作成しなければならなかった。そこで、大手小売業者などが中心となって2007年4月に業界標準となる流通BMSを策定。ユーザックシステム 取締役 マーケティング本部長 小ノ島尚博氏は、「まだ、普及したとはいえないが、大手小売業者が率先して導入を始めているので、数年後には業界標準として広く利用されるはずだ」と説明した。

 流通BMSの最新バージョンである「流通BMS バージョン1.1」では、6業務8メッセージ(発注、出荷、受領、返品、請求、支払案内)のデータレイアウトをあらかじめ設定している。EOS名人.NETはこの流通BMS バージョン1.1に対応していることから、相手も流通BMS バージョン1.1に対応していれば、設定変更なしで利用できる。また、流通BMSに対応していない場合に対応するために、データレイアウトの変更や追加をパラメータ設定するだけでできるマッピング機能を搭載した。

 製品は、Windows Server 2003 SP2で動作するEnterprise版と、Windows XP ProfessionalやWindows Vista Businessで動作するStandard版の2種類を用意。価格はEnterprise版が120万円、Standard版が35万円から。初年度の販売目標は200本。

 小ノ島氏は、「流通BMSに対応しているので、基本的にはすべてのデータに対応可能だが、もし独自の方式を利用している小売業者があったとしても、パラメータ変更で容易に対応できるのが特徴だ。従来製品の場合、新たに開発が必要になることが多かった。今後、流通BMSがバージョンアップすればそれにも対応していきたい」とコメントした。

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