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» 2009年02月03日 12時00分 公開

目指せ!シスアドの達人−第2部 飛躍編(22):ライバルにアドバイスをもらうずうずうしさも必要だ (1/5)

[那須結城, 石黒由紀,@IT]

第21回までのあらすじ

 新システムの3カ月の開発期限延長を認めてもらうために、西田副社長の命令で関係役員への根回しをした坂口。予想以上に苦労しながらも、これに成功したものの、新たに商品の納期短縮を実現するよう求められるのだった……。



商品納期短縮の新たなアイデアの盛り込み

 坂口は商品納期短縮を実現するために、物流の効率をもっと工夫できないかと考えていた。

 しかし、妙案が思い付かない坂口は、以前見学したホテイドリンクの園村が「もし、困ったことがあったらいつでも声を掛けてください」といっていたのを思い出し、電話をかけることにした。

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坂口 「先日は大変お世話になりました。磯釣り旅行でも素晴らしいお話を聞かせていただき、大変タメになりました。実は厚かましいお願いで恐縮なのですが、以前見学させていただいた物流システムに関して、もう少し詳しく教えていただきたいのですが……」

園村 「お〜、坂口さん! ごぶさたしております。実は、うちの社長が『そのうち、坂口さんがもっと詳しく教えてくれっていってくるだろうな』っていわれておったのですよ! やはり、うちの社長の見る目は確かですねぇ」

坂口 「布袋社長がそんなことをおっしゃっていたんですか!」

園村 「それで、『そういってきたら、他社の人間とか気にせず何でも教えてやるように』といわれていたのです。ところで電話だと何ですから、明日にでもこちらに来られませんか?」

坂口 「よろしいんですか?」

園村 「もちろんです!」

坂口 「それでは、先日一緒にお伺いした伊東と、もう1人の計3人でお伺いしたいんですが、よろしいでしょうか?」

園村 「はい。では明日の13時でいかがでしょう」

坂口 「はい。それでは明日13時にお伺いします!」

 翌日、坂口、伊東、加藤の3人は、千葉県野田市にあるホテイドリンクの配送センター兼システムセンターへ向かった。

坂口 「本日はご多忙のところ、無理をいって申し訳ありません!」

園村 「いや、気にしなくて結構ですよ」

伊東 「せ、先日はあ、ありがとうございました! 今日もよろしくお願いしまっしゅ!」

坂口 「こちらは、ホテイドリンクでシステムセンター長を務められている園村さんだ。こちらは加藤です」

加藤 「はじめまして。サンドラフト広報部の加藤です」

 園村は広報部ということに少し違和感をいだき、加藤の名刺を眺めながらいった。

園村 「はじめまして、園村です。そうですか。加藤さんは広報部なのですか……」

坂口 「加藤は広報部所属ですが、現在は主として新生産システム開発業務の改善業務を担当してもらっています」

園村 「そうですか。それで今日いらしたのですね。ところで今日は、物流システムに関してもう少し詳しく知りたいという話でしたが、どういうことをお聞きになりたいのですか?」

坂口 「現在、新生産管理システムの構築を進めておりまして、商品納期短縮を実現しようとしているんですが、それを成功させるためには、SCM関連でもう一工夫必要だと考えているんです。こんなことをライバルでもあるホテイドリンクさんにお聞きするのはおかしいことだとは分かっているんですが、私たちは何としても納期短縮を実現しなくてはいけないんです。そこで、厚かましくも何かヒントでもいただけないかと思い、ご相談させていただくことにしました」

園村 「それにしても、ずいぶんと思い切った相談ですねぇ。ハハハハ! うちの社長は何でも話していいといってましたから、別に問題はないんですが……。分かりました。それで、具体的にはどういうことを話せばよいのでしょう?」

坂口 「では、布袋社長のお言葉に甘えて、端的にお聞きします。まずは、配送期間の短縮で工夫されていること、あるいはヒントを教えていただけませんか?」

園村 「そうですね。配送センターでは、到着した商品はすぐに仕分けされて配送されるようになっています。また、配送センターを経由せず、工場から直接卸店などに配送する割合も最近は増えており、全体の80%を超えています。在庫の滞留を最小限とし、新鮮なうちに短期間で必要な所へ届けられるようなシステム化を実現しています。もちろん、製造日の早い製品から先に出荷されるようになっていますし、製品の品質や倉庫内での保管状況、出荷期限なども一元管理できるようにしています」

加藤 「ということは、この配送センターを通過する製品は、全体の20%だけなのでしょうか?」

園村 「その通りです。配送センターは倉庫ではありません。『システムでいかに効率よく配送するか?』を考えて実行するところです。そのシステムにノウハウが凝縮されているといってもよいでしょう」

加藤 「そのためには物流だけでなく、生産や営業との情報共有が非常に重要ですね」

園村 「もちろんです。そうですね、弊社では2年くらい前にその改革に取り組みましたが、当時は組織間の壁が相当厚く、実現にはかなり苦労しました。ですが、いまではうまく情報共有できるようになり、スムーズに動いています」

 そういうと園村は、「ここでちょっと一息つきに、コーヒーでも飲みに行きませんか」と誘い、全員で配送センターの休憩室へと移動した。

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