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» 2009年07月29日 00時00分 UPDATE

NEC、InfoFrameに新製品・サービスを追加:「約10時間が10分に」、データ処理高速化で“もうかる”体制を

[内野宏信,@IT]

 NECは7月29日、情報をより有効に活用するためのコンサルティング/システム構築サービス「Decision Navigator」を販売開始するとともに、情報管理ソフトウェア「InfoFrame」のラインアップを拡充すると発表した。情報活用による経営改善のためのソリューションサービスと、それを支える製品ラインナップの拡充により、PDCAサイクルを迅速・確実に運用する体制を整備するという。

写真 ラインナップ拡充と連携強化で、データの加工・処理・分析時間を大幅に短縮した。

 近年、企業内のデータ量は増加の一途をたどっている。ガートナーの調査によると、ストレージの価格低下も受けて、企業におけるディスクストレージの容量は、2008年から2013年まで、年間平均成長率60%で増加すると見込まれている。一方、企業が大量のデータ処理に難儀する傾向も強まっており、特にサプライチェーンを運用する製造業にとって、データ量の増大は深刻な課題となっている。

 製造拠点が全国、あるいは世界中に散在している製造業では、部品のマスタデータをはじめ、あらゆる製造関連データを、各製造拠点が個別に管理しているケースが多い。情報システムも拠点ごとに個別最適化しており、本部でデータを統合・分析するためには、人手を介してデータを加工しなければならない例も多い。

 こうした事情から生じるタイムロスは、主体企業の意思決定を遅延させ、不良在庫増大、機会損失などの原因となる。もちろん人件費もばかにならない。SCMは情報の流れを整え、意思決定を迅速化し、無駄をなくして“もうけ続ける”ための取り組み。それだけに、各拠点のデータを迅速・確実に処理し、整流化できなければ、収益向上・コスト削減の大きなボトルネックになってしまう。

 NECもこうした状況を受けて、製品・サービスの提供を決定。「データ処理だけではなく、現状の見える化から改善案の策定まで、各社に最適なPDCAサイクルの確立を支援するとともに、PDCAの“C”──すなわちチェックの障害となっていた、大量データの処理・分析を高速化する環境を整えることで経営の継続的改善を支援する」(NEC 執行役員の山元正人氏)という。

 まず、ソリューションサービスのDecision Navigatorは、「Decision Navigator/PM(Performance Management)」と「Decision Navigator/BI」の2つで構成する。前者は、現状の業務プロセスの可視化から、事業戦略目標へのブレイクダウン、課題解決に向けたプロセスモデルの策定、監視ツールの適用など、プロセス改善に向けた一連のコンサルティングサービスを提供するもの。後者は、現状の情報分析業務を評価・査定し、その改善に向けたコンサルティングを行うほか、情報分析システムの要件定義から構築までを請け負うとしている。

 一方、データ処理・分析の高速化には、InfoFrameのラインナップ拡充で対応した。InfoFrameは、企業内に散在する情報を統合し、効果的に管理するための製品群。各システムに散在する情報をつなぐフレーム技術として、コンテンツバスとデータバスを利用し、情報を効率的に扱える環境を整える。

 今回はその製品群に2つの新製品を追加。1つは情報統合製品の「InfoFrame Data Quality」。重複データの自動判別や補正処理を行う「クレンジング機能」と、属性が一致するデータを一元化する「名寄せ機能」を持ち、人手ではミスが起きやすいデータの整合作業を効率化するという。整合ルールをあらかじめ設定しておくことで、クレンジング作業を完全に自動化することもできる。

 もう1つは、BI製品の「MicroStrategy 9」。データを一時的に高速なメモリに蓄積しておき、再度そのデータを使う際には高速メモリから呼び出すことで処理スピードを高める「メモリキャッシュ技術」を応用し、クエリ(データ処理要求)時間を大幅に短縮するという。これを従来からラインナップしているデータウェアハウス「Netezza Performance Server」と組み合わせることで、分析時間を従来の90%以上短縮、「527分掛かっていた処理が10分で終わる」(山元氏)という。

 また、これまで書式・形式の異なるデータの加工・統合処理は、データ統合製品の「InfoFrame PowerCenter」が行っていたが、大量データの複雑な処理にはぼう大な時間が必要だった。そこで、高速データ処理エンジン、「InfoFrame DataBooster」との連携を強化。DataBooster側でデータを最適化してメモリ上に展開、高速加工を行うことで、大量データの加工処理を85%以上短縮。「目安として、67分掛かっていた処理が9分になった」という。

写真 NEC 執行役員の山元正人氏

 価格はInfoFrame Data Qualityがコアライセンス制で2コア当たり4300万円から、MicroStrategy 9は10ユーザー当たり500万円から。ソリューションサービスのDecision Navigatorはシステム規模やサービス内容に応じて変わるが、約50万円から1000万円クラスまで、幅広くサービスメニューを用意している。

 山元氏は、「今回の発表に伴い、専任のコンサルタントとシステム構築要員を、現在の80人体制から、3年間で200〜300人規模にまで拡大する予定。多くの企業がデータの有効活用に課題を感じているいま、ビジネスのPDCAサイクルを一貫して支援できる体制を整え、2012年度には、情報活用領域での売り上げを、現在の年間30億円から年間100億円レベルにまで引き上げたい」と話している。

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