良いとこ取りの「ハイブリッド型」WBSでプロジェクトを成功させる(5)(2/2 ページ)

» 2010年08月02日 12時00分 公開
[安達裕哉,トーマツイノベーション]
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ハイブリッド型WBSの強み

ALT ハイブリッド型WBS(クリックで拡大)

 ハイブリッド型WBSは、作業WBSと成果物WBSを同時に用いて作成したものです。作成の手順は以下の通りとなります。

(1)作業WBSを作成する

(2)成果物WBSを作成する

(3)最上位レベルから、作業WBSの要素と成果物WBSの要素を比較する

(4)どちらかのWBSに過不足があれば、漏れている要素を追加する

(5)各レベルでの不整合がなくなったら、作業WBSのワークパッケージと成果物WBSのワークパッケージとをひも付けることでハイブリッド型WBSが完成する

ALT 最上位レベルから順番に両WBSで共通する要素を探す
ALT WBSに漏れがあれば追加する(クリックで拡大)

 作業WBSのワークパッケージに作業成果物がひも付けられているWBSをご覧になったことのある方は多いかもしれません。これは作業WBSと成果物WBSを独立して書き、最後に両者を比較することがポイントです。同一プロジェクトを違う視点から見ることにより、作業の漏れや成果物の漏れを格段に減らすことができるほか、両者の表記方法もそろえられます。

 現状で作業WBSと成果物一覧などをすでに所持しているプロジェクトでは、簡単に試せるので、この手法を強く推奨します。

 次回は最終回です。WBSを用いた進ちょく管理の基本をお伝えします。

筆者プロフィール

安達 裕哉(あだち ゆうや)

トーマツ イノベーション株式会社 シニアマネージャ

筑波大学大学院環境科学研究科修了後、大手コンサルティング会社を経てトーマツ イノベーション株式会社に入社。現在、主としてIT業界を対象にプロジェクトマネジメント、人事・教育制度構築などのコンサルティングに従事する。そのほかにもCOBIT、ITサービスマネジメント、情報セキュリティにおいても専門領域を持ち、コンサルティングをはじめとして、企業内研修・セミナー活動を積極的に行う。


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