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NTT、東大やイリノイ大と共同で新しいQoS技術のデモ

» 2004年02月12日 21時56分 公開
[RBB Today]
RBB Today

 NTT未来ねっと研究所、東京大学、イリノイ大学、カスピアンネットワークスは、「マキシマルキューイング(MaXimal Queueing / 以下、MXQ)」と呼ばれる新方式の輻輳制御技術を用いた次世代テレビ会議システムのデモンストレーションをおこなった。

 MXQは、NTTが開発したフローベースのルーティングアルゴリズム。流れるデータをかたまりとしてとらえることで、IP/MPLSによるQoSよりもネットワークの輻輳時における信号の劣化を抑えられるという技術。MXQの送信速度に基づくフロー制御では、高速なフローと低速なフローがあるときに輻輳(ネットワークの混雑)が発生すると、高速なフローの抑制がおこなわれ、これによって低速なフローの保護やネットワークの利用率向上が図れるという。

 デモンストレーションでは、カスピアンネットワークスのフローベース・ルータ「Apeiro」にMXQを実装し、高解像度ビデオのストリーミング配信をさせながら、テレビ会議システムを動作させた。IP/MPLSルータを使用した場合には輻輳時に信号の劣化が起きた一方、MXQ搭載のApeiroではこうした劣化は起きなかったとのことだ。

 フローベースでのネットワークでは、輻輳制御のほかにも、P2PトラフィックのコントロールやDoS攻撃の防止なども可能だということで、これに関するデモンストレーションもおこなわれた。