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» 2004年02月16日 21時23分 UPDATE

いきなり“インチ1万円”以下――元アキア社長が低価格な液晶TV

元アキア社長が興したベンチャー「バイ・デザイン」が、低価格な大画面ハイビジョン対応液晶TVを発表。OEMビジネスとローコストオペレーションによる徹底したコスト削減で、主力の30インチでは実売27万円弱にするなど、競合他社より3割ほど安いのが特徴だ。

[西坂真人,ITmedia]

 バイ・デザインは2月16日、低価格なハイビジョン対応液晶TV3機種とDVDプレーヤーを発表した。主力商品となる30インチハイビジョン液晶TVは同社直販価格で26万9800円と、1インチ1万円を切る低価格になっている。3月25日から出荷を開始する。

mn_by1.jpg 低価格なハイビジョン対応液晶TV3機種(上)と、インチ1万円を切った30インチ「d:3032GJ」(下)
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 ハイビジョン液晶TV新製品のラインアップは、40インチの「d:4032GJ」(直販価格54万9800円)、30インチ「d:3032GJ」(同26万9800円)、22インチ「d:2232GJ」(同15万9800円)。各機種とも、同等スペックの他社液晶TVの市場価格よりも3割ほど安くなっているのが特徴だ。

 低価格ながらも基本性能はしっかりおさえてあり、3機種すべてに高精細のWXGAハイビジョンパネルを採用したほか、D4入力端子、RGB入力端子、BS/地上波のアナログダブルチューナー、デジカメ静止画などを再生できるPCカードスロット、脱着式のスピーカーなどを搭載。デザインもヘアライン仕様アルミ板やアクリル板をパネルに使用するなど高級感ある仕上がりになっている。

mn_by3.jpg 40インチの「d:4032GJ」

 また、d:4032GJとd:3032GJには、チューナー/コントロールボックスを脱着式にした「Mediabox」を採用。Mediaboxを交換するだけで、地上デジタルやBS/110度CSなど各種デジタル放送にも柔軟に対応可能だ。

mn_by4.jpg チューナー/コントロールボックスを脱着式にした「Mediabox」

 主な仕様は以下の通り。

型番 d:2232GJ d:3032GJ d:4032GJ
画面サイズ 22インチ 30インチ 40インチ
解像度(ピクセル) 1280 ×720 1280 ×768 1280 ×768
コントラスト比 600対1 500対1 600対1
輝度 450カンデラ 500カンデラ
視野角 上下左右約170度
応答速度 22ミリ秒
入力系統 コンポジット×2、コンポーネント×1、Sビデオ×1、D4×2、RGB×1
チューナー BSアナログ/地上アナログ(CATV対応)
大きさ(幅×高さ×奥行き) 776×364×86 939×485×84 1202×643×123
同スタンド込み 776×364×86 939×485×84 1202×710×250
重さ 12キロ 15.5キロ 35キロ
同スタンド込み 14.5 19キロ 40キロ
直販価格 15万9800円 26万9800円 54万9800円
発売時期 3月25日発売(2月25日から直販サイト予約開始)

アキア/Dell“イズム”を液晶TV販売に

 商品とともに注目したいのは“社長”。同社の飯塚克美社長は、Dell日本法人トップから転身してあの“アキア”を興した人物だ。

mn_by5.jpg 同社社長の飯塚克美氏はDell日本法人トップからアキアを興したことで業界でも有名

 1995年に設立したアキアは、Windows95によるPC普及の波に乗って事業を拡大。Dell仕込みの直販スタイルを武器に、液晶モニタ付き省スペースPCや高性能ノートPC、マック互換機などでユーザーの支持を集めた。だが、バブル崩壊以降の事業不振から1999年にカシオ計算機へ営業権を譲渡。カシオ子会社として再生を目指すも振るわず、2003年10月には保守サービス業務までも他社へ委託するなど、事実上の市場撤退に至っている。

 飯塚氏は2001年にアキア社長を退任。2002年に液晶ディスプレイ専業の「ディナー」の社長に就任してディスプレイ部品メーカーとのつながりを深め、昨年6月にバイ・デザインを設立した。

 「Dellで7年間在籍した当時、マイケル・デルとともに『Dellのビジネスモデルは、将来はPCだけにとどまらない』と語り合っていた。アキア時代の1996年、当時40万円近くした液晶モニタを18万円という破壊的な価格で提供した。8年後の今、PCのモニタはみな液晶になっている。液晶TVの販売は長年やりたかった夢」(飯塚氏)

 工場を持たないファブレスビジネスを徹底させるとともに、先進的な技術を持つメーカーと積極的にパートナーシップを推進。企画・開発・デザインは日本で行って製造は中国・台湾メーカーに委託するというOEMビジネスに加え、ローコストオペレーションによる徹底した販売管理費の削減でこのような低価格を可能にした。

mn_by6.jpg 22インチの「d:2232GJ」。ハイビジョン対応、PCカードスロット搭載、

 今回の液晶TVは中国の大手カラーTVメーカー「Xoceco(ソーセーコー)」に製造を委託。画質を左右する大型液晶パネルは、鳥取三洋電機製を使用するなど、品質面でも国内大手メーカーと競合できる製品に仕上げている。

 日本市場投入にさきがけ、フラットパネルディスプレイで大きな潜在需要が見込まれる米国で販売を開始。米国Byd:signでは、Compaqでプレサリオシリーズを立ち上げ、HPでは北米のコンシューマ事業部のトップだったブライアン・デニソン氏がCEOに就任。ホールセラーのCostcoや、CompUSA/Amazon/Tweeterといったウェブ販売大手などへ販路を広げている。

 「日本ではウェブでの直販のほか、ネット販売大手(イー・ネットジャパン、サクセス)や大手量販店(ノジマ、コストコホールセールジャパン)を使って、リアル店舗とウェブの両面で販売を展開する。国内でたくさん売ることは考えてなく、ボリュームは米国でかせぐ方針」(飯塚氏)

mn_by7.jpg 低価格ながらプログレッシブ映像出力に対応したD2端子搭載DVDプレーヤー「d:1070」も発売する。直販価格は7980円

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