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ソニー、Blu-ray2号機は全モデルハイブリッド、BD-RO製造装置も初公開連載:次世代DVDへの助走(1/2 ページ)

» 2004年03月24日 02時36分 公開
[本田雅一,ITmedia]

 前回のインタビューからしばらくの時間を置いて、ソニー業務執行役員常務の西谷清氏と再会した。早速、「ソニーBD2号機のスケジュールは?」と前回と同じ質問をしてみた。すると「残念ながらアテネ(オリンピック)前はない。アテネ後、年末向けの製品になる」との答えが返ってきた。

photo この連載では既にお馴染み。ソニー業務執行役員常務の西谷清氏

2モデルラインナップ? 低価格機にもHDD搭載

 西谷氏は「今さら隠すことは何もない」と切り出し、2層50Gバイトメディアをサポートし、地上デジタル放送チューナーを内蔵するBlu-ray Discレコーダー2号機が年末向け製品になると話した。既に、2層50Gバイトメディアに各社製ドライブで書き込んだメディアをメーカー間で回覧しながら、相互運用のテストを行い良好な互換性を確認済みとのことだ。

 また複数モデルのラインナップ化か? との質問に対しては「BD単体機はない。ハイブリッドDVDレコーダーのラインナップが、ハードディスク容量でモデル間の差別化を行っているのと同じ手法を取る」と応える。即ち、現行機の半額近いと言われる2号機ローエンドモデルにも、ハードディスクが搭載されることになる。

 400Gバイトと250Gバイトモデルか? との質問には笑って何も応えなかったが、約20時間のハイビジョン記録が可能な250Gバイトモデルがローエンドに位置し、定価で30万円を切る価格帯に落ち着くようだと、AVマニア向けには魅力的な製品となりそうだ。

 なお、現行のS77に対しても最近、地上デジタルチューナー対応の目処がつき、近くファームウェアアップグレードで外部チューナーの接続サポートのアナウンスを行うという。

BD-ROの仕様確定は4月中か?

 パナソニックが2層50Gバイト対応のBDレコーダーを7月に投入するとアナウンスしている中、ソニー製2号機の投入時期がアテネ後になる理由は、BD-RO(Blu-ray Disc Read Only)の仕様確定時期に、若干の不透明さが残っているからだという。

 西谷氏によると、BD-ROの最終仕様は4月に合意に達する見込み。ソニーのBDレコーダー2号機は、2005年後半に発売されるというBD-ROを用いたパッケージソフトの再生に対応する。

 「ハリウッド主要映画スタジオとの間で、物理フォーマット、論理フォーマットの2点については、既にほぼ合意に達している。問題は著作権保護。この点に関してハリウッドも一枚岩ではなく、スタジオごとに温度差が大きい。PCでの記録を禁止するべきと考えているスタジオもあれば、構わないというスタジオもある。また暗号化キーを任意に入れ替えられる仕組みを盛り込んでほしいなど、次々に要求が出てきている。しかし、4月中には合意できるだろう」(西谷氏)。

 ただし、実際にはさらなる難航も予想される。最終的に合意に達した後、正式な仕様が発行される時期が6月ならば問題なし、といったところか。仮に6月に最終仕様が発行されたとして、アテネ前にもギリギリ間に合う計算だが、西谷氏は「合意後にも、新たな著作権保護アイデアを持ち込むスタジオが出てこないとも限らない。確実に仕様が固まり、揺れないことが確認できるまでには、さらにしばらく様子を見る必要がある。購入した製品が確実にBD-ROソフトを再生可能な状態で出荷できるタイミングとして確実なのは年末商戦向け製品。われわれのBDレコーダー2号機のスケジュールは、そうした計算から決まった」と話した。

BD-RO製造装置の詳細も公開

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