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10年後の光ディスクは500Gバイト?

» 2004年06月11日 19時25分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 “3年後の12センチ光ディスクは容量50Gバイト、記録速度は36〜70Mbps”“10年後には最大500Gバイト、記録速度200Mbps以上”――JEITA(電子情報技術産業協会)が技術者を対象に行ったアンケートでは、そんな光ディスクの未来像が浮かんだ。

 JEITAが15社の技術者へ行ったアンケートによると、12センチの光ディスクについては3年後には容量20〜50Gバイト、記録速度36〜70Mbpsで、青紫レーザー使用の1〜2層ディスクが主流になるという。それが5年後には容量50〜100Gバイト、記録速度100〜150Mbps、青紫レーザー使用の2層(以上)のディスクが主流になるという回答が目立ったという。

 携帯端末での利用に向け、小径化製品の開発が進むのではないかという予測もされている。現在も流通している8センチ(CDシングルサイズ)のほか、50ミリや64ミリ、90ミリという数値が例として挙げられた。こうした小径製品でも、3年後には8センチサイズで8Gバイトの容量を持つ製品が登場する可能性があるという。

 ただし、これらの回答はあくまで技術者の私見であり、開発メーカー自身の回答ではない。そのためか、10年後以降の話となると青紫レーザーはもちろん、ホログラム方式による記録方法も実用化されているのではという意見もあったそうだ。

 光ディスクのライバルとしては、携帯用途では半導体メディア、大容量が求められる場面ではHDDを挙げる声が多く見られた。だがその一方で「人に所有欲がある限り、保存メディアとしての光メディアは必要」という意見もあったそうだ。

 こうしたアンケートを分析しているJEITAの専門委員会は、3〜5年後以内に光ディスク分野で起こりうる変化として、「青紫レーザーによる大容量化」「小径ディスクによる携帯分野への展開」などを挙げている。ソフト面では、デジタル放送時代を迎えることから、ユーザーの利便性とコンテンツホルダーの権利保護を両立できる「著作権保護の仕組み」を構築することが求められるとしている。

 次世代光ディスクといえば、Blu-ray DiscとAODの成り行きにも関心が集まるところだが、JEITAでは「すでに多数のメーカーが10万円台の普及機を想定して開発を進めている」と、各メーカーが普及に向けた動きを始めていることを述べるに留まった。

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