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松下、CATV用既設ケーブルで100Mbps超のネット接続に成功

» 2004年06月21日 20時26分 公開
[ITmedia]

 松下電器産業は6月21日、CATV用の既設ケーブルを利用した集合住宅での高速インターネット接続実験で、実使用環境で100Mbpsを超える高速伝送に成功したと発表した。既存の構内同軸ケーブル施設をそのまま利用する方式での100Mbps超えは世界初だという。

 従来、集合住宅内で同軸ケーブルを使って高速な双方向通信を行うには、施設の大幅な変更が必要だった。

 今回の実験では、米Entropic Communicationsが開発した宅内同軸ケーブル高速通信技術「c.LINK」をCATV網の同軸アクセス系に採用。同一周波数帯域で双方向通信するc.Linkは、専用の上り帯域確保が不要なため、既存の施設をそのまま利用した高速伝送が可能だ。

 実験は、関西ケーブルネットサービス地域内の集合住宅で実施した。局から集合住宅までは光ファイバーで接続。構内では放送信号分配用の共聴同軸ケーブル上にc.LINK信号を多重して各世帯と接続することで、高速伝送に成功したという。

 部屋間のデータ伝送や、TVとAVサーバの接続などのホームネットワーク利用の動作テストも行い、HD品質の動画が問題なく伝送できることを確認したとしている。

 同技術のホームネットワークへの応用例は、6月23日から東京・ビッグサイトで行われる「ケーブルテレビ2004」に展示される。

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