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» 2004年07月27日 10時47分 公開

東芝・NEC、HD DVDのロードマップを説明――DVDメディアとの兼用生産プロセスは稼動段階に (1/2)

東芝、NECなど3社はHD DVDの普及を加速させるため、国内コンテンツ事業者向けの説明会を開催。Blu-rayと異なる規格になった“発想の違い”や、既存のDVDとの互換性が高く、移行コストを抑えられる兼用生産ラインがすでに稼動しつつある状況など、HD DVDの強みについて強調した。

[渡邊宏,ITmedia]

 東芝、NEC、メモリーテックの3社は26日から3日間、HD DVDの普及を加速させるために国内コンテンツ事業者向けの説明会を開催している。その中で、各社はHD DVD事業化についての取り組みを説明した。

 HD DVDは既存DVDとの高い互換性を誇る次世代DVD規格。1層0.6ミリの基板を2枚張り合わせるメディア構造やピックアップの開口数(0.65)も既存のDVD規格と同一で、生産設備も既存のものを流用できる。このため、製品化も低コストで済むと考えられている。

HD DVDは東芝とNECだけのものではない

 「HD TVとHD Video、どちらを対象にするかでBlu-ray DiscとHD DVDは分かれてしまった」。こう語るのはNEC 第一ストレージ事業部 統括マネージャーの早津亮一氏だ。

 Blu-ray DiscはHD TV放送を録画するメディアとして開発されたため、“MPEG-2で2時間録画”が目標となった。一方、HD DVDは現行DVD-Videoの後継として開発されたため、圧縮形式は問わずに“2時間の再生ができればよい”と、同じ12センチの光ディスクながら目指すところが異なったため、違う規格となってしまったのだという。

 とかく対立関係が強調されるBlu-ray DiscとHD DVDだが、早野氏は「HD DVDはDVDフォーラムの規格であり、DVDフォーラムには現在215社が参加している。それに、Blu-ray Discを推進する13社のうち10社はDVDフォーラムのメンバーでもある」と説明。「HD DVDは東芝とNECが推進する規格」という従来のイメージの払拭を図った。

photo 「HD DVDは東芝とNECだけの規格ではない」という早野氏の説明

 規格策定の終了したHD DVD(再生専用のHD DVD-ROM)の著作権保護機能には「AACS(Advanced Access Content System)」が採用されているという。詳細についての説明はなされなかったが、位置づけとしては既存DVDにおけるCSSに相当するもので、Blu-ray Discにも採用されるという。

photo 早野氏の示したHD DVDのロードマップ。書き換え型の-ARWや、追記型の-Rなどの規格も2004年度中に確定する予定だという

 同社はPC用 HD DVD/DVDのコンパチドライブを展示、デモを行った。展示された5インチベイ用ドライブの製品化は2005年中ということだが、同社では、デスクトップPCのみならず、コンシューマー向けプレーヤーやゲーム機、カーナビ、ノートPCへの利用も目指す。

photo NECの展示したPC用HD DVDドライブ。ハーフハイトの製品も計画されている

東芝は2005年にHD DVDプレーヤーやレコーダーを投入

 東芝 執行役上席常務 デジタルメディアネットワーク社長の藤井美英氏はHDD&DVDレコーダーの登場によって「HDDにどんどん録画して、残したい映像だけをDVDに保存する」という新しいスタイルが一般的になりつつあると指摘する。

photo 東芝 執行役上席常務 デジタルメディアネットワーク社長の藤井美英氏。「近いうちに1テラのHDDを搭載したHDDプレーヤーが登場するだろう。そのときにはHD DVDが有効利用できる」と述べる

 こうしたスタイルの浸透と、ハイビジョン放送の開始や大画面・高精細テレビの普及を背景に、「高品位なコンテンツのパッケージ配布」と「アーカイブ用途」がこれからの光ディスクに求められると述べる。

 HD DVDの特徴は既存DVDとの互換性の高さだが、この点について藤井氏は、「DVDから次世代DVDへの移行は緩やかに行われる。10年以上は共存するのではないか」「(音楽)テープからCDへ変化した時ほどの急速な変化はない。世界中のコンテンツベンダーと協議しながら移行を進めていくことになる」と急速な移行については否定的な見解を示す。

photo 東芝が展示したHD DVDプレーヤー。今回展示されたのは再生機だが、レコーダーやHDDとのハイブリッド製品なども製品化したいという

HD DVD/DVD兼用生産ラインはベストのアプローチ

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