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日立、ハイビジョン録画に対応したDVDレコーダー2機種を発表

» 2004年08月05日 19時40分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 日立製作所は8月5日、地上/BS/110度CSデジタルチューナーを搭載し、ハイビジョン番組をそのままの画質でHDDに録画できるハイブリッドレコーダー2機種を発表した。発売は10月下旬。価格はオープンプライスだが、店頭では400GバイトHDD搭載の「DV-DH400T」が20万円前後、250Gバイトの「DV-DH250T」は16万円前後になる見通しだ。

photo 写真は「DV-DH400T」。フロントパネルには、アルミとクリア素材を使って高級感を演出
型番 DV-DH400T DV-DH250T
HDD容量 400Gバイト 250Gバイト
録画可能メディア DVD-RAM、DVD-RW(VR、ビデオ)、DVD-R☆2☆
再生可能メディア DVD-RAM、DVD-RW(VR、ビデオ)、DVD-R、DVD+R/RW、DVDビデオ、ビデオCD、音楽CD、CD-R/RW☆2☆
デジタルチューナー 地上デジタル/BSデジタル/CS110度☆2☆
アナログチューナー ○(GRT付き)
EPG ○(デジタル放送のみ)☆2☆
入力端子 3系統(S端子/コンポジット)☆2☆
出力端子 D4×1、S端子/コンポジット×2系統、光デジタル音声、i.LINK☆2☆
本体サイズ 430(幅)×330(奥行き)×68(高さ)ミリ☆2☆
重量 約5.4キロ☆2☆
価格 20万円前後 16万円前後
HDD容量以外の違いは、DV-DH400Tのみゴーストリダクション付きアナログ地上波チューナーと、デジタルカメラと接続してJPEG画像を再生する“拡張端子”(USB)を搭載していること

 録画モードは、デジタル放送のストリームをそのまま記録する「TS HD/TS SD」のほか、XP/SP/LP/EP/FRを用意。日立グローバルストレージテクノロジーズ(日立GST)の400GバイトHDDを搭載した「DV-DH400T」なら、ハイビジョン番組を約40時間も録画できる(DV-DH250Tは約25時間)。アナログ放送の場合は、EPモードで最長約555時間だ(DV-DH250Tは約340時間)。

 DVDドライブには、5倍速DVD-RAMを初めてサポートした日立エルジーデータストレージのマルチドライブを採用。4倍速までのDVD-RW(ビデオモード/VRモード)や8倍速DVD-Rの録画/再生、およびDVD+R/RWの再生にも対応した。日立製作所ストレージ機器本部の山内浩人主任技師は、「5倍速DVD-RAM対応により、業界最速の約30倍速ダビングが可能になった。1時間番組を最短約2分で高速ダビングできる」としている。

photo 5倍速のDVD-RAMメディアを使えば、1時間番組を最短約2分で高速ダビングできる(EPモード)。なお、カートリッジ入りDVD-RAMはディスクを取り出して使用する必要がある

 もちろん、コピーワンス番組のムーブも可能だ。CPRM対応のDVD-RAMもしくはDVD-RW(VRモード)メディアを使えば、番組を保存しておくことができる。また、i.LINK出力を使ってD-VHSなどにムーブすることも可能だという。

 EPG(電子番組表)は、3チャンネル分を1ページに表示するテレビ欄タイプだ。DV-DS160に採用された「ミルカモ予約」や、フリーワードによる「絞り込み検索」機能も備えている。

 絞り込み検索は、キーワードを入力するたびに候補となる番組が絞り込まれていくというもの。たとえば、サッカーアジア杯を検索したとき、「サッカー」だけでは多くの番組がヒットしてしまうが、「アジア」を追加すると候補はかなり絞り込まれる。目的の番組を効率よく探すことができる仕組みだ。

photo 「スポーツ」だけでは多くの番組がヒットしてしまうが……
photo 「サッカー」「アジア」とキーワードを加えていくごとに番組が絞り込まれていく

 一方の「ミルカモ予約」は、“見るかも知れない番組をどんどん録画する”というコンセプトのオリジナルGUI。横軸に“曜日”、縦軸に“時間”を表示したマトリックス式の画面で、見たい番組の時間に該当するマスをカーソルで指定し、リモコンの数字ボタンでチャンネルを入力すると予約が完了する。翌週も自動的に予約されるため、ドラマやアニメの毎週録画に便利だ。

photo リモコン。「ミルカモ予約」を起動する専用ボタンも配置(クリックで拡大)
photo 背面の入出力端子群。DV-DH400Tでは入出力端子に金メッキ処理を施している

 なお、地上波アナログ放送のEPGは搭載していない。このため、録画予約の際は、「Gコード」などを使用することになる。

ハイビジョン録画を“次世代レコーダー”に

photo 日立製作所ストレージ機器本部の山内浩人主任技師

 日立によると、地上デジタル放送のエリア拡大に伴い、ハイビジョン・レコーダーの需要も急速に拡大していくという。同社は、全国放送がスタートする2006年度には、デジタルチューナー内蔵のハイビジョン・レコーダーが60万台規模の市場を形成すると予測。「将来、ハイビジョンレコーダーは、録画機の主力カテゴリになるだろう」(山内氏)。

 なお、新製品と同様の機能を持った製品には、シャープの「DV-HRD200」があるが、山内氏は「高速なDVD書き込みドライブにくわえ、『ミルカモ予約』や絞り込み検索などの使い勝手の良さが日立の強みだ」と話している。

photo ハイビジョンレコーダーの市場予測

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