ITmedia NEWS >

ハリウッドの“色師”も太鼓判――松下プロジェクター「TH-AE700」

» 2004年09月15日 23時25分 公開
[西坂真人,ITmedia]

 松下電器産業は9月15日、今秋発売予定のデジタルAV製品群を一堂に集めた「Panasonic Collection」を開催。その中で、10月8日に発売する家庭用液晶プロジェクター“カジュアルシアター”「TH-AE700」の試写&商品説明会が行われた。

photo

 AE700は、昨年末から今年にかけて大ヒットモデルとなった「TH-AE500」の後継機。同社のカジュアルシアターシリーズは、2001年発売の初代「TH-AE100」から4代目のAE500までは、液晶パネルの解像度を上げることで機能アップを図ってきたが、AE700では「進化したハリウッド画質」に「簡易常設」というテーマを加えて、画質だけでなく新たな鑑賞スタイルも提案しているのが特徴だ。

photo 上がTH-AE700で下がTH-AE500

 簡易常設を目指したAE700は、AE500で弱点といわれていた設置の自由度を大幅に改善。レンズシフト機能を新たに追加したほか、2倍の光学ズームを搭載し、100インチ画面の投写距離が最短3メートルから最長6メートルというクラストップレベルの幅広い設置環境を可能にした。

 「短焦点2倍ズームレンズで、部屋の端にスクリーンを置いて、もう一方の端にプロジェクターを置くといった空間を最大限に生かす設置が可能になった」(同社)

photo

 前モデルのAE500は、ハリウッド映画のカラーリストの意見をもとに調整した“画作り”がセールスポイントだったが、AE700はそのハリウッド画質をさらに進化。シーンごとにビデオ信号をキャッチしてリアルタイムに絞りや光量が可変する「ダイナミックアイリス」を搭載することで、従来モデルで評判の高かったメリハリのある画質にさらに磨きをかけ、液晶方式ながら2000:1というDLP方式並みの高コントラスト比を実現している。

photo 「ダイナミックアイリス」で高コントラスト比を実現
photo

 「暗いシーンをより引き締まった画質にできる。夜空にキラリと光る星といった明暗の激しいシーンも美しい映像を表現可能。暗いシーンでの黒の表現力、明るいシーンでの色の発色を両立した初めてのプロジェクター。ダイナミックスアイリスは、松下だけの技術」(同社)

 また、ハリウッドと同じ画作りシステムを採用し特定色を自在にコントロールできる「シネマカラーマネジメント」も搭載。ユーザー自身もカラーリスト気分が体験できる機能だ。

photo 他色に影響を与えずに特定色をコントロールできる「シネマカラーマネジメント」

 もちろん、前モデルと同様にハリウッドのカラーリストの意見をもとに画質をさらにブラッシュアップ。説明会では、実際にAE700の“画作り”に協力したハリウッドのトップカラーリストDavid Bernstein氏が出席した。

photo ハリウッドのトップカラーリストDavid Bernstein氏

 Bernstein氏はハリウッドにも10人しかいないという「ゴールデン・アイ」の持ち主。彼がカラーマネジメントを手がけた代表作は、タイタニック、ムーランルージュなど映像美の評価が高い作品が多い。AE700に搭載された7つの「新映像モード」のうち、落ち着いたしっとり画質の「シネマ1」モードがBernstein氏監修によるものだ。

 「シアターだけでなくAV製品の仕事ができて光栄。AE500の時もバランスのいいプロジェクターだと思ったが、AE700をみてさらにその画質がさらに向上しているのが分かった。ダイナミックスアイリスやシネマカラーマネジメントなどパナソニックの技術力の高さでハリウッド画質の進化が確立した」(Bernstein氏)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.