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» 2004年09月21日 21時28分 UPDATE

久夛良木氏が語る「PS3にブルーレイを選んだ理由」

ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が、次世代プレイステーション「PS3(仮称)」のメディアにBlu-ray Disc(BD)を採用すると発表。「PS Business Briefing」の中で同社社長兼CEOの久夛良木健氏が、BD採用経緯や今後の方向性を語った。

[西坂真人,ITmedia]

 既報の通り、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は9月12日、次世代プレイステーション「PS3(仮称)」のメディアにBlu-ray Disc(BD)を採用すると発表。同日都内で行われた今年度下期の同社事業戦略を語る「PlayStation Business Briefing 2004」で、同社社長兼CEOの久夛良木健氏がBD採用経緯やPS3の今後の方向性などを明らかにした。

photo 次世代プレイステーションにBlu-ray Discを採用することを発表した同社社長兼CEOの久夛良木健氏

 「今日は(PS3について)全部を話すわけではないが、我々の考えと今後の方向性を紹介したい」と次世代機について切り出した久夛良木氏は、プレイステーションシリーズで採用されてきたメディアについて紹介。

 「PS1ではCD-ROM、PS2ではDVD-ROMを採用し、ゲーム機に音楽や映像を融合させるなどたいへんなインパクトを提供してきた。ディスクメディアのもたらす革新は、容量だけでなく流通やプロモーションなどにも大きな影響を与えた」と、ディスクメディアがゲーム機普及に果たしてきた役割の大きさを語り、DVDの6倍以上に及ぶ大容量のBD-ROMに期待を寄せる。

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 PS3には再生専用のBD-ROMを採用する予定で、記録容量は最大で54Gバイトにも及ぶという。

 「メディアがCDの10倍の容量になったDVDをPS2が採用したことで素晴らしいゲームが登場し、映画のDVD化との相乗効果も大きかった。メディア戦略とプラットフォーム戦略はきっても切れない関係」

 青紫色レーザーを使った次世代DVDでは、ソニーなどが進めるBlu-ray Discのほかに、DVDフォーラムが推進する「HD DVD」がある。次世代DVD覇権争いを繰り広げる2方式のうちBlu-ray Discを採用した理由について久夛良木氏はこう語る。

 「HD DVDは2層で30Gバイトだが、BDなら2層で54Gバイトとなる。どちらも同じように(青紫色レーザーを使って)波長が短くなるのだったら、より容量が入るディスクにしようというのが大きな理由。映像信号を記録再生する場合には、高い圧縮効率の符号化を使うなどで容量不足を補えるかもしれないが、ことコンピュータやゲームの世界ではそれができず、データ量がそのままゲーム内容に反映するなどディスク容量が非常に重要になる」

photo 次世代DVD2方式の中でBlu-ray Discを選んだ理由は「より大容量な点」

 「グランツーリスモを例に挙げると、コースやクルマのデータが増えてくるにしたがって、PS1のCD-ROM版からPS2のDVD-ROM版、そして現在のDVD-ROMダブルレイヤー版と、ディスク容量もどんどん増えてきた。今後ますますコンテンツの融合が進むと、容量の壁に早晩突き当たる。(ゲームメディアとしてBDを選ぶのは)非常に明快。BDで、飛躍的に増加するゲームプログラムの容量のカベをクリアしたい。BD採用は、ふんだんな容量を使いたいという意思表明」

photo グランツーリスモでも、コースやクルマのデータ量増加にあわせて大容量ディスクが必要となっていった

PS3で録画はできる?

 大容量BD採用で期待が高まるのは、ビデオ録画機としての可能性だ。

 「PS1もPS2もディスクメディアへの録画機能は搭載していなかった。そういう意味ではゲーム機には録画機能は必要ない、と“今のところは”思っている。ゲーム機に録画機能を載せるか否かは商品企画のレベル。ピュアなゲーム機を狙うか融合商品で行くかは正式発表まで待ってもらいたい」

 またPS3では、BDだけでなく従来のCD/DVDメディアもサポートする予定だという。

 「機能として下位互換性は非常に重要な要素。プレイステーションではやらなくてはいけないことと理解している」

狙いはBD陣営への援護射撃

 PS3のタイムスケジュールとしては、2005年5月開催予定の「E3(Electronic Entertainment Expo)」でプレイアブル(実動可能)な実機を展示し、同年9月の東京ゲームショーでゲームソフト紹介を目指していることしか明らかにされていない(7月12日の記事参照)。

photo プレイステーションシリーズのタイムスケジュール

 ハードスペック/発売時期/価格/対応ソフトなど、仕様の詳細はまったく知らされていないこの時期にディスクフォーマットだけ発表する大きな理由は、やはり同じソニーグループとして次世代DVD競争への“援護射撃”だ。

 「BDは規格制定が最終段階に入ってはいるものの、まだ正式決定されていない。現時点でわれわれがBD採用を表明することで、フォーマット策定が早期にまとまることを期待している」

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