ハロで芳香剤革命――「ハロマテラピー」誕生秘話(1/2 ページ)
ハロが、芳香剤市場に一石を投じようとしている。
バンダイと花王が共同開発した室内用芳香器「ハロマテラピー」。スイッチを入れるとハロの耳がパタパタ開閉して香りをただよわせ、ボディが左右に揺れる。業界でも珍しい、電池駆動の室内向け芳香器だ。
「ハロで室内芳香剤市場を活性化したい」――ハロマテラピーを発案した花王カスタマー事業部の西口久雄部長はこう話す。室内用芳香剤市場は、トイレ用の数分の1の規模。これをハロで拡大したいという。
なぜハロで室内用芳香剤なのか。理由は二つある。
一つは、ハロが女性に人気があることだ。室内芳香剤のメインターゲットは、アロマテラピーなど香りに関心のある若い女性。女性ウケのいいハロで、彼女らを取り込む作戦だ。
もう一つ、ハロでなくてはならない理由があった。芳香剤の問題を解決するために、ハロの耳がどうしても必要だったのだ。
一般的な芳香剤は、一度開封するとずっと香りを出し続ける。しかし人は、同じ香りをかぎ続けると次第に慣れてしまい、しばらくすると何も感じなくなってしまう。鼻を慣れさせず、香りを長く楽んでもらうにはどうすればいいか――芳香剤開発の悩みの種だった。
ハロの耳が、これを解決してくれる。耳を香りの出口にし、パタパタ開閉させることで、香りに強弱の“ゆらぎ”を作るのだ。こうすれば鼻がなかなか慣れず、香りをじっくり楽しめるという訳だ。
耳を開閉する動力は、電池から供給することにした。コンセント式と違って好きな場所に移動できるのに加え「蚊取り線香も防虫剤も、電池を内蔵した電動式のものがシェアを伸ばしている。芳香剤も今後は電動式が流行るに違いない」(西口部長)との確信があったからだ。
こうしてできた“電動ハロ芳香器”のアイデアを、西口部長はバンダイに持ち込んだ。
話を聞いたバンダイライフスタイルカンパニー執行役員 ライフ事業部の奥山峯雄ゼネラルマネージャーは驚いた。「ハロで芳香器を作るとは」。
しかし、悪くない提案だと思った。「機動戦士ガンダムSEED」放送以来、ガンダムのファン層が一気に女性に広がった。女性受けするグッズを出すには絶好のタイミングだ。
奥山ジェネラルマネージャーは早速、「CGO」に製品化を打診した。CGOとは「Chief GUNDAM Officer」の略。バンダイ社内でガンダムグッズを統括している責任者だ。
ハロの芳香器は、CGOの眼鏡にかなった。既存の商品にガンダムキャラをひっつけた安易なものではなく、ハロだからこそできるオリジナル商品だという点が評価された。
芳香剤を花王が、ボディをバンダイが開発。販売は花王が行うことが決まった。
ラフレシアの芳香剤?
花王は芳香剤の開発に取り掛かった。せっかくハロ型なんだから、ガンダムにちなんだ香りにしよう――ガンダムマニアの西口部長はモビルスーツに目をつけた。「花の名前がついたモビルスーツがいくつかあったはずだ」。早速ピックアップした。
「ラフレシア」――世界一臭いといわれる花。とてもじゃないが芳香剤向きではない。「サイサリス」(ほおずき)――香りなどなさそうだ。「デンドロビウム」――高級花・ランの一種でイメージはいい。しかし、匂いがほとんどない……“モビルスーツの香り”は、あえなくボツになった。
モビルスーツがダメなら、キャラクターならどうだ。アムロやララァなどガンダムシリーズの人気キャラをイメージし、オリジナルの芳香剤を作ろうと思い立った。
しかしバンダイと話し合ううち、このアイデアも却下された。キャラのイメージは人によって違うため、勝手に作って押し付けるのは好ましくないというのがその理由だった。
ボツ続きでやけくそになった西口部長、最後はダジャレに走った。「赤い“水仙”シャア――なんてね」(西口部長)。即、ボツになった。
結局、女性が好む香りを採用することにした。数種類の芳香剤を花王の研究所で試作。花王やバンダイの女性社員にアンケートをとり、好きな香りを選んでもらった。結果、上位だった「ローズマリー」「カモミール」「マリン」の3つを採用した。
静音化に苦労したハロボディ
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