音楽の転送は簡単、PCに接続すると外付けHDDとして認識されるので、「MYMUSIC」フォルダにエクスプローラーなどを利用して再生したい曲を転送すればよい。対応するファイル形式はMP3/WMA/OGGで、対応ビットレートはMP3が8〜320kbps、WMAが48〜192kbps、OGGが48〜320kbps。ID3タグによる管理も可能で、V1.1および2.4に対応する。
Windows Media Playerによる転送はサポートされておらず、実際にWMP10を起動してみても、「同期」対象のデバイスとして認識されなかった。しかし、OZZIOシリーズの公式サイトではサポート対象外の試用版ながらも、本製品専用のファイルマネージャーソフトを配布している。このソフトを利用することによって、プレイリストの作成や管理、ライブラリの同期などが行える。
転送した音楽を再生するには、コントロールスティックを押し込むとメインメニューが表示されるので、「ファイル一覧」-「MYMUSIC」とたどり、目的のファイルへアクセスすればよい。
再生中の画面では、ファイル名/アーティスト名/曲目や再生時間などが表示される。メニューをたどっているうちはスティック上下で選択、右(もしくは押し込み)で決定という流れになるのだが、再生画面になってしまうと、そこから画面を切り替えるにはスティック長押し(メインメニューへ戻る)しか手段がない。再生画面からもひとつ前の画面に戻れるよう、インタフェースにはもう一工夫欲しいところだ。
イコライザはノーマル/クラシック/ロック/ジャズ/ポップ/ライブ/ホール/ユーザー設定の8種類。効き自体はマイルドで、どの効果を選択しても原曲のイメージが大きく損なわれることはない。ユーザー設定を行うときには5チャンネルのグライコを操作することになるのだが、その際に再生中の音が一瞬だが途切れることは気になった。
音質についてはポータブルプレーヤーにありがちな中低域が弱い印象もなく、素直な音質のように感じる。強いて言うならば、低音の押しが弱く感じられ、全体的にやや“薄い”感じもする。しかし、ヘッドフォンの交換、もしくはイコライザをかけることで受ける印象がかなり変わるので、気になる場合には対処した方がいい。特にヘッドフォンの交換は目に見えて音質の変化を実感できるのでお勧めだ。
このほか、FMラジオ機能とボイスレコーディング機能を備えている。FMラジオ機能は40個までのチャンネル記録が可能で、MP3ファイルを生成するボイスレコーディング機能は低(64kbps)・中(128kbps)・高(160kbps)と3種類のビットレート切り替えが可能になっている。
FMラジオの放送を録音することはできないが、内蔵マイクのほか、ライン入力からの録音も可能になっており、外部マイクやCDプレーヤーなどに接続すれば、より使い道は広がるだろう。
HDD搭載ポータブルオーディオプレーヤーとしては最安値のクラスに属する製品だが、実際に手にとってみると、その質感は他の製品に比べても全く見劣りしない。大型液晶の搭載によって認識性も高いほか、スティックと右側面に分かれた操作インタフェースは直感的な操作を可能にしている。
WMP9/10による転送やWindows DRMの再生に対応していないほか、大量の曲を「MYMUSIC」フォルダに転送すると、メインメニューから「MYMUSIC」フォルダへの移動に一瞬のタイムラグが発生するなど、細かな部分の作り込みが甘く感じられたのは残念なところ。
だが、5GバイトものHDDを搭載したポータブルプレーヤーながらも2万円以下という破格の値段設定は、細かな不満点をも帳消ししてしまう。加えて、内蔵マイク/ラインの両方を利用可能なレコーディング機能やFMラジオチューナーも搭載されている。録音/再生機能付きのポータブルMDが2万円以上することを考えると、MDプレーヤーの対抗製品として選択肢に含めることも“アリ”な製品といえる。
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