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“体を乗っ取るリモコン”から“こびとさん”まで――i-tokyo 2005っぽいかもしれない(1/5 ページ)

» 2005年08月29日 13時07分 公開
[こばやしゆたか,ITmedia]

 8月25日から26日にかけて、東京の「日本科学未来館」で「インタラクティブ東京2005」(i-tokyo)と「第13回国際学生対抗バーチャルリアリティコンテスト(IVRC)予選大会」という2つのイベントが開催された。これにいってきた。

 この2つは、どちらもバーチャルリアリティ系のイベントで、会場も全く同じフロア。手前の方がi-tokyo、奥の方がIVRCと緩やかに分けられているだけだ。来場者は両方の区別にはあまり気がつかないで見て回ってしまう。そんな展示物のなかから、いくつかを紹介してみよう。まずはi-tokyoから。

刺激的な世界「Shaking The World

 サブタイトルは「前庭感覚電気刺激による新規感覚提示インタフェース」。i-tokyoの作品の中で今回一番インパクトのあったものだ。こういうのありか? って意味で。

 体験者は、まず「同意書」にサインを求められる。そして、耳の後ろのあたりに電極を貼付けられる。実際には大きいヘッドホンの耳当て部分みたいなもので押さえつけられるので、あんまり電極は意識されない。電極から出ているケーブルを受信機につないで準備完了。「そこに足を閉じて立ってください」って言われる。

photo 電極を耳の後ろのあたりに貼り付ける

 そうやって立っていると、スタッフがリモコン(ラジコンのプロボだ)のジョイスティックを傾ける。その瞬間、世界が傾くのだ。うわって感じで足を踏み出してしまう。

 前庭(三半規管があるところ)に微弱電流を流すことで、平衡感覚を乗っ取ってしまうのだ。リモコンで操作された方向に体が傾く感じがしてしまうのだ。「まっすぐ歩いてください」なんていわれて歩いてみるのだけど、リモコンをいじられると、どんどん斜めの方向に進んでしまう。ショッカーに改造された怪人はこんな感じなんだろうかとか考えてしまった。

photo あらら。どんどん斜めの方向に進んでしまう、動画はこちら(MPEG-1、380Kバイト)

 リモコンは自分でもいじらせてもらえるのだけど、レバーを左右に振らすと体が傾いているような気がしてしまう。その量が大きければ反射的に足を踏み出してしまう。「視覚や聴覚によらない人間の誘導方法の提案」なのだそうだが、たしかにこれは誘導される。というか、乗っ取られる。なお、今揺れるのは左右だけ、前後方向はなかった。

 次に、リモコンの代わりにコンピュータで制御する応用アプリケーションの体験。1つ目はドライブゲームの横Gの代わりにこれをつかうっていうもの。画面は車からの視線のようだったけど(傾かない)。これはバイクあるいはスキーの方が実感があったと思う。

 最後に、音楽。ダンスミュージックのリズムに合わせて、微弱電流が流される。バーチャルドラック系の画像が映ったディスプレイの前でシェイクされる感じになる。いや、ほんとにバーチャルドラッグだ。「そのものではないけど、事実上それと全く同じ効果を及ぼす」という本来の意味のVirtualね。

 酔いました。実は、微弱電流の強さはボリュームで変えられるようになってるんだけど、だんだんそのボリュームを右に回したくなってる自分がいた。

かわいい電子万華鏡「moo-pong

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