ITmedia NEWS >

箱根の山でもワンセグ放送は受信できるか実走調査(2/3 ページ)

» 2006年04月12日 09時02分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 有楽町から世田谷まで、道中の受信状態はおおむね良好。高層ビルの間を走行中、一瞬だけ画面にブロック状のデジタル放送に特有なノイズが見られたが、首都高を高速走行しながらでも、映像に目立った乱れは見受けられなかった。アナログ放送ではこうはいかないだろう。

 首都高では防音壁の設けられたエリアも多いが、そこでも受信がとぎれることはなかった。三宅坂トンネルなど長いトンネルではさすがに電波が届かず、「受信できません」というメッセージの表示されることもあったが、短いトンネル(代官山トンネル程度)ならば問題はなかった。

 ワンセグ放送は地デジと同じく電子番組表(EPG)も提供されるのだが、世田谷区の自宅付近で走行しながらデータの受信(番組表の更新)を試みたところ、かなり低速で走行しているにかかわらず受信に失敗してしまった。有楽町では走行中の取得も問題なく行えたので、今回だけの問題と思われる。

photo ワンセグ放送の電子番組表。ワンセグ放送ではEPGのほかデータ放送も提供されるが、TU-DTV20ではワンセグ放送の双方向サービスはサポートされていない(地デジ受信時の同サービスには対応)

 時間の余裕があったので、途中、芝浦ジャンクションを経由して、お台場まで移動してみたが、レインボーブリッジの上でも電波はとぎれず、映像も鮮明なままだった。

photo IT関連の展示会も多く行われる東京ビッグサイトの前にて。受信状態は良好。

箱根に日帰りドライブ――都内〜大観山パーキング

 次は箱根への日帰りドライブを想定したルートを実際に走行して、受信状態を確認してみた。

 設定したのは、箱根の大観山パーキングを目指した後に芦ノ湖へ北上、御殿場ICから都内に戻るルート。具体的には、世田谷の自宅を出発し東名高速を西に走り、厚木ジャンクションで小田原厚木道路に乗り入れ、小田原西ICで高速を降りる。そこから箱根ターンパイクをのぼって、大観山パーキングで休憩。そこから県道75号で芦ノ湖へ向かい、国道138号で御殿場市へ抜け、御殿場ICから再度、東名高速で都内へ戻るという段取りだ。

 日帰りのドライブとしては距離も手ごろで、関東圏の人にはポピュラーなルートだが、大観山パーキングは乗鞍山の山頂近くに位置するほか、県道75号と国道138号は箱根山中を走行することもあり、人口の多いエリアからカバーを始めているデジタル放送の受信は厳しいことが想像される。

 まずは自宅から東名高速を西に走る。海老名SAまでは首都高の時と同様に長いトンネル内で受信できなくなることがあったが、それ以外は問題なし。海老名SAに停車した時点で地デジは受信不可能になったが、ワンセグ放送は問題なし。地デジより電波の弱いエリアでも受信可能という、ワンセグ放送のメリットが確認できた格好だ。

photophoto 東名海老名SAにて。地デジは受信できなかった(左)が、ワンセグは受信できた(右)

 その後も西へ向かう。小田原厚木道路に入り、大磯あたりから地デジの受信が怪しくなり、小田原をすぎるとまったく受信しなくなった。ワンセグ放送は酒匂川にかかる酒匂川橋の付近で受信状態が悪くなり、一時的に画面が固まることがあったが、「受信できません」という表示が表れることはなかった。

 大観山のふもとにある、箱根ターンパイクの入り口に到着。地デジ/ワンセグともに受信するが、クルマを動かすと地デジの画面がかなり乱れ、映らなくなることも。そのまま山道を進むと、地デジはまったく受信せず、ワンセグも中腹をすぎたあたりから、かなり受信状態が悪くなり、受信できなくなる瞬間も度々見受けられた。

photophoto 箱根ターンパイクの中程にて(左)、山中のせいかワンセグ放送も受信しなくなってしまった(右)

 大観山パーキングに到着。見晴らしもいいが、ワンセグ放送はほとんど受信できない。クルマの停車位置を動かすと瞬間的に受信することもあったが、「映っている」というレベルではない。一方でアナログ放送は画面の乱れこそ激しいものの、停車すれば一応受信することが確認できた。

photophoto 見晴らしのいい大観山パーキング(左)、ワンセグ放送(右画面)はほとんど受信できないが、アナログ放送は画面こそかなり乱れるものの音声は聞き取れる(左画面)(右)

 TU-DTV20はワンセグ放送の受信レベルを画面に表示する機能を持っている。大観山パーキングでその機能を利用してみると、受信レベルは「5」と表示された(同社によると、13〜15程度の受信レベルがあればクリアに受信できるという)。大観山パーキングはまだワンセグ放送の受信エリアではないということだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.