コラム
» 2006年12月28日 17時22分 UPDATE

プロフェッサー JOEの「Gadget・ガジェット・がじぇっと!」:ダイソン「Root6」は、片付けられない女と男の「そうじ力」も加速できるか?! (1/2)

サイクロン式と称される掃除機は各社から登場しており、性能的には先駆者のダイソン製を上回っているかもしれない。ただ、技術的に優れていれば市場を制するとも限らない。ダイソンの凄さは、利用者を“掃除をしたい気分”にさせる「そうじ力」を持つことにある。

[竹村譲,ITmedia]

ダイソンが凄いのは、「テクノロジー」か「そうじ力」か

 生まれてこのかた、ほとんど一人暮らしというモノをしたことのない筆者は、掃除が大の苦手だ。苦手なのは掃除だけではなく、洗濯も料理もさほど差はない。

 掃除・洗濯・料理など、昔は女性の分担比率の高い仕事のように言われたこれらも、シングル家庭やDINKSが増え、ライフスタイルの変化とともに一人暮らしの人間が普通に行う家事になった。片付けられない女と男の時代に、「そうじ力」によるドラスティックなライフスタイルの変革トレンドは多くの類似書籍を生み出し、同時に「お掃除ブーム」を呼び起こしたようだ。奇しくも、世界初の電気掃除機が登場してから約100年が過ぎている。

photo ダイソンのコードレス電気掃除機「Root6」。小さくても一目でダイソン製の掃除機と分かる個性的なデザイン

 電気掃除機は、他の家庭電化製品に比較して、出現する前と後では大きく形状の異なるハードウエアで機能を実現している道具だ。昔から存在する掃除道具「ほうき」と「ちりとり」そして「はたき」から、現代の電気掃除機を想像できる人がどれくらいいただろうか?。本来の電気掃除機の目的は「掃除」であり、それは従来の「はたく」、「ふく」、「集める」、「取り去る」という掃除の基本機能である繰り返し連続処理をたった1つのハードウエアで実現することだ。

 吹き出す空気圧で、チリやホコリを吹き飛ばすだけの掃除機を改良し、真空ポンプを取り付けたノズルの先から、ホコリを吸い込む方式の掃除機は今や日本のどこの家庭にもある電気掃除機の原型だ。大英帝国の栄華を背景に生まれた掃除機のコンセプトは今も大きくは変わっていない。

photophoto お掃除嫌いの筆者でも「そうじ力」を試したくなるゴーストバスターデザイン(左)、ノズル部分が見えないとフードプロセッサーやコーヒーメーカーにも見える(右)

 強力なモーターでファンを回し、人工的に作られた真空状態による空気の流れが強力な吸引力となり、多くのチリやホコリを吸い込んでゆく。空気の流を遮るように配置された「紙パック」や「フィルター」にほとんどのチリやホコリは引っかかり、フィルターをくぐり抜けた空気だけが室内空間に戻される。電気掃除機とはそういうハードウエアだった。

photo 少し力は必要になるが、コンビネーションノズルを使えば見えない部分のチリも吸引できる

 こうした伝統的なバキューム方式掃除機は、紙パックやフィルターでゴミを通過させることなく捕獲するのが目的だ。しかし小さなチリも逃さず捕獲することが出来れば出来るほど、微細な穴の空いた紙パックやフィルターが目詰まりを起こし、それらの繰り返しは、いずれ吸引力を低下させ、パワー不足による吸い込めないホコリや汚れが室内に残ることになる。

 ダイソンの創始者であるジェームズ・ダイソン氏は、その矛盾を解決する今までなかった全く新しいテクノロジーとして、「サイクロン」と呼ばれる空気とチリの遠心分離技術を取り込んだ電気掃除機を提案したのだった。

 ノズルから勢いよく吸い込まれた塵や埃を含んだ空気の流れを、ある時は渦巻きのようにコントロールし、またある時はメッシュのシリンダー内を高速で通過させることで、微量だが重量のあるチリやホコリを遠心力で空気と分離落下する技術が「ルートサイクロンテクノロジー」だ。

       1|2 次のページへ

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.