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» 2007年02月08日 05時52分 UPDATE

FC EXPO 2007:燃料電池車、“クルマ”としての性能は? (1/2)

ガソリンエンジンの代替として期待される燃料電池車だが、クリーンでエコロジーという一面に注目が集まり、乗用車としての性能はあまり表に出てこない。「FC EXPO 2007」の会場で本田技研工業に話を聞いた。

[芹澤隆徳,ITmedia]

 8車種、約60台――これが現在、日本国内を走る燃料電池車の数だ。多くは、「水素・燃料電池実証プロジェクト」など研究事業の一環として官公庁や自動車関連企業が保有しているもので、一般のドライバーとは、まだまだ縁が薄い。

 しかし、将来的にガソリンの代替として期待される燃料電池車だけに、その性能や開発状況は気になるところだ。日常的に利用するクルマとして捉えたとき、燃料電池車はどれほどの性能を発揮できるのだろうか。東京ビッグサイトで開催中の「FC EXPO 2007」で本田技研工業に話を聞いた。

photo ホンダの「FCX」(現行車種)。零下25度でも動く新型スタックの搭載により、寒冷地でも燃料電池車が実用になることを証明した

 ホンダの燃料電池車「FCX」(ホンダ・ZC2)は、水素だけを燃料にする水素燃料電池を採用している。その原理は、中学時代に習った「水の電気分解」の逆。燃料の水素と外気から取り込んだ酸素をスタックと呼ばれる装置で結合させ、電気を起こしてモーターを駆動する仕組みだ。排出するのは水だけ。FCXの場合、エネルギーの利用効率はガソリンエンジンの3倍、ハイブリッドカーの2倍に及ぶという。

 搭載するモーターの出力は80kW(109馬力)で、最高時速は150キロ、最大トルクは27.7kgmだ。トルクはかなり太いが、馬力や最高速はリッターカーか、それ以下のレベルである。また一回の燃料補充で走行できる距離(航続走行距離)は430キロと「ガソリン車とはまだ開きがある」(ホンダ)。

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 航続距離に関していえば、燃料電池スタックの変換効率はもちろん、燃料(水素)の搭載量、そして車重といった要素が大きく影響する。その点、ホンダが昨年秋に公開した“次世代燃料電池車”「FCXコンセプト」は1つの壁を越えたといえる。

 FCXコンセプトでは、まず燃料となる水素や排出する水を車体に対して水平に流す従来の方式から、垂直に流す方式に変更した。重力を利用することで水の排出効率がアップし、スタック自体も小型化が可能に。単位重量あたりの出力は67%も向上している。

 また、水素タンクは従来と同じ35mpa(350気圧)ながら、容量を現行FCXの156.6リットルから171リットルへ拡大。逆に車重は180キログラムの減量を果たした。ここ数年、航続走行距離は「ガソリン車と同等の500キロメートル以上」を目標に開発が進められてきたが、FCXコンセプトでは570キロメートルに達している。

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