コラム
» 2007年06月15日 10時27分 UPDATE

コラム:ヤフーとiTunesの連携で浮かび上がる構図 (1/2)

ヤフーとiTunes Storeが連携した音楽配信サービスを開始、このタイミングで米Apple担当幹部に話を聞くことができた。今回の連携は単なる企業間の話のようにもに見えるが、PC向け音楽配信の市場に大きな変化をもたらす可能性を秘めている。

[渡邊宏,ITmedia]
photo Music Download on iTunes

 ヤフーが6月14日に開始した、「iTunes Store」と連携する音楽配信サービス「Music Download on iTunes」。これによって、ヤフーのコンテンツ「Yahoo! ミュージック」に来たユーザーがワンクリックでiTunes Storeの楽曲を購入できるようになった。

 高ビットレート&DRMフリーの「iTunes Plus」やワーナーミュージック・ジャパンの楽曲配信開始など、活発な動きを見せるiTunes Storeがまた“動いた”理由をiTunes Storeの責任者、Eddy Cue(エディ・キュー、iTunes担当バイスプレジデント)氏に短い時間ながらも尋ねることができた。

 業界のビックネームであるヤフーとiTunes Store(アップル)が連携することで浮かび上がる構図とはなんだろうか?

Yahooという大きな窓口

――まずは確認なのですが、ワールドワイドを含め、今回のようなiTunes StoreとISPとの提携はこれまでに行われた事はあるのでしょうか? また、提携を開始した理由はなんでしょうか?

Cue氏: iTunes StoreとYahoo!のようなISPとの連携は、まったく初めての取り組みです(注、他社とのパートナーシップという意味ではコンビニエンスストアでのiTunes Cardの販売や、iTunesで再生した履歴をmixi上で共有する「mixiミュージック」などの事例がある)。

 開始した理由ですが、音楽を好きな人が音楽を探すとき、ヤフーという大きな窓口からiTunes Storeへアクセスできることは、ユーザーにとって大きなメリットになると判断したからです。

――“iTunes Storeへの大きな窓口”を用意するということは、これまでiTunes Storeを利用していなかった人へのリーチも期待できるという意図を含むのですか?

Cue氏: Yahoo!という入り口、導線を用意することによって、これまでiTunes Storeを使っていなかったようなユーザー層へアプローチが可能になりますので、これまでiTunes Storeを使ったことのない人はもちろん、まったくiTunesそのものを使ってない人にも、iTunes Storeでの音楽との出会いを楽しんでもらえると思っています。

――ヤフーのプレスリリースでは「ワンクリック」という言葉で利便性を強調していますが、Music Download on iTunesでYahoo!のIDおよびウォレットは利用できず、iTunes Storeのアカウントが必要になります。Yahoo!という入り口を利用するならば、アカウントと決済手段も一本化した方がユーザーの利益になると思いますが。

Cue氏: Yahoo!とiTunes Storeという2つのアカウントが存在していることは分かっていますし、現在ではその2つは完全に別なものです。この状況から得られるフィードバックをどのように扱っていくかは未定ですが、「IDが2つある」という状況であることは認識しています。

浮かび上がる構図

 ヤフーは2005年2月からレーベルゲート(Mora)と提携しての音楽配信サービスを開始しており、iTunes Store(当時はiTunes Music Store)はこれに約半年遅れ、同年8月にサービスを開始している。ヤフーとしてはMoraとの提携も持続しつつ、後発ながらもユーザーからの支持が高いiTunes Storeと協力関係を結ぶことで、Yahoo!(Yahoo!ミュージック)への集客力を高める狙いがあると思われる。

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