インタビュー
» 2007年06月22日 16時05分 UPDATE

プチプチ無限地獄へようこそ (1/2)

バンダイの「∞プチプチ」(無限ぷちぷち)は、人間の本能に潜む、飽くなき“ぷちぷちしたい”欲求をトコトン満たしてくれる無駄アイテムだ。企画・開発を担当したバンダイ 高橋氏に話を聞いた。

[芹澤隆徳,ITmedia]

 「プチプチ」(通称:エアパッキン)には、不思議な魅力がある。近くにあれば誰もが手を伸ばし、ぷちっ、ぷちっとツブし始める。ふと我に返って手を離しても、気がつくとまたぷちぷち……。まるで取り憑かれたようにツブしつづけ、最後には雑巾のように絞ってしまう。

photo エアパッキン(参考写真)

 バンダイが開発した「∞プチプチ」(無限プチプチ)は、人間の本能に潜む、飽くなき“ぷちぷちしたい欲求”をトコトン満たしてくれる、夢のような無駄アイテムだ(→発表記事)。しかも、リアリティを求めるあまり、開発には想像を超える時間と労力を投入してしまった。

 「∞プチプチ」の秘密とその魅力について、企画・開発を担当したバンダイ プレイトイ事業部の高橋晋平氏に話を聞いた。

photophoto 仕事中にも“ぷちぷち”するというバンダイ プレイトイ事業部の高橋晋平氏と「∞プチプチ」の試作機

――人は、なぜ“ぷちぷち”するのでしょう?

 本能です。たとえば、穴があれば指を入れてみたくなったり、取っ手があれば引っ張ってみたくなるように、飛び出しているものは押したくなるものです。これは心理学的に「アフォーダンス」と呼ばれる現象です。

 プチプチをみると、ついつい“ぷちぷち”したくなってしまうのも同じ。しかも、プチプチの粒を指で潰すと心地いい。その感触で病みつきになるのです。

――本能では仕方がないですね

 仕方ないです。

――では、なぜそれを玩具にしようと考えたのでしょうか。∞プチプチを企画したきっかけを教えてください

 バンダイには、商品を発送するためのプチプチが沢山あります。普段使っているプチプチを見ていたとき、誰でもやりたいのだから、存分にやってもらおうと思いつきました。本能に訴える商品を作りたい、と。

――リアルに再現するため、かなり苦労したそうですが?

 まず、「プチプチ」の製造元である川上産業さんに伺い、企画の意図をお話したところ、快く承諾していただきました。∞プチプチは、同社のもっとも標準的なスタンダードプチプチの「♯37」という製品がベースになっていて、サイズ(∞プチプチの表面穴のサイズ)やプチプチの間隔なども本物と全く同じです。潰したときに出る音も、本物の破裂音をサンプリングして仕込みました。

photophoto 穴のサイズが本物と同じになっているため、厳密にいうと凸部のサイズは少し小さい。これは「感触を優先した結果」だ

 初期の試作機は、厚いボタンを使用したのですが、これでは感触が違う。それならと空洞にしてみたところ、今度はふにゃふにゃしていて、押しても気持ちが良くない。空気を入れて表面を薄くすると、今度はゴムのスイッチみたいな感じになってしまう……。

 そこで、潰すときのアクションを再確認したところ、指の圧力で“ぱんぱん”になったプチプチと、弾けたときの音や感触というように、2つの段階があることに気がつきました。このため、プチプチの表面を2重にして、かつ上側を柔らかく、内側を薄いゴム素材にしたところ、非常に近い感触になりました。その後は微調整の繰り返しですが、試作機が出来るたびに川上産業さんに持っていき、確認してもらうという作業を繰り返しました。

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