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» 2008年02月22日 14時44分 UPDATE

DVDレビュー:れこめんどDVD:「AFRO SAMURAI 劇場版」(Blu-ray Disc) (1/2)

日本アニメのクオリティとインターナショナル性を証明した無国籍エンターテインメント「AFRO SAMURAI」がついにBD化! 意欲的な作品を発表するGONZOがサミュエル・L・ジャクソンをはじめとする米国スタッフと組んだ、驚異的な面白さの本作をチェックした。

[飯塚克味,ITmedia]

GONZO製作だけにクオリティは保証

「AFRO SAMURAI 劇場版(Blu-ray Disc)」

発売日:2008年2月20日
価格:6090円
発売元:フジテレビジョン
上映時間:112分(本編)
製作年度:2007年
画面サイズ:ビスタサイズ
音声(1):ドルビーTrueHD/5.1ch/英語
音声(2):DTS-HD Master Audio/5.1ch/英語

 昨年、WOWOWで放映され日本のアニメ水準の高さとインターナショナル性を証明した無国籍エンターテインメント「AFRO SAMURAI」がついにBlu-ray Disc化!問答無用の強さを誇るアフロサムライとは何者なのか?次々と意欲的なアニメ作品を発表するGONZOがサミュエル・L・ジャクソンをはじめとするアメリカスタッフと組んだ結果、驚異的な面白さとなった本作をいち早くチェックしてみた。

 「AFRO SAMURAI」は1998年に自費出版された岡崎能士によるコミックのアニメ版。日米共同製作になる本作は当初テレビアニメ作品として製作され、企画が進行する内にハリウッドスター、サミュエル・L・ジャクソンが参加。声優として2役をこなす一方、製作者としても名を連ね、本作にかける思いの強さは原作者をも驚かせた。

 アニメの製作を担当したのは「青の6号」「SAMURAI 7」「ブレイブストーリー」など独創的なアニメ作品を次々と発表してきたGONZO。興味深い作品ばかりを発表してきたGONZOだが、中でもOVA作品「SAMURAI 7」は黒澤明監督の「七人の侍」をベースに自由な発想で世界観を広げ、強烈なインパクトを残してくれた。筆者が出会ったのは、作品が完成後数年経ってのテレビ放送が最初だったが、今でもお気に入りの作品となっている。

 「AFRO SAMURAI」との出会いもテレビが最初だった。WOWOWはアニメ製作には熱心で「Devil May Cry」や「神霊狩/GHOST HOUND」「シグルイ」など質の高いアニメ(しかも子どもには見せられない!)を常に提供してきているだけに信用度は高い。

 「AFRO SAMURAI」放映時には、これが本邦初公開となるだけにスポットにも力を入れていて、一度その映像を目にしたらどうしても本編が見たくなるものになっていたと記憶している。全部で5話形式のミニシリーズとしてオンエア。ハイビジョン&5.1chでの放送は多くのアニメファンから喝采を受け、数度に渡り再放送もされた。

 その後、劇場用に再編集が行われ、1本の長編作品としてまとめられ、昨年10月に映画館で公開された。今回収録されているのはその劇場版である。ちなみにWOWOWではディレクターズ・カット版での放送も行われ、DVDではそれをまとめたと思われるディレクターズ・カット版も発売されている。マニアックなユーザーが多いはずのBlu-ray Discになぜディレクターズ・カットが採用されなかったのか、ぜひメーカーの意見を聞きたいところだ。

基本は“ハチマキ”を巡る復讐劇

 基本的な物語は復讐劇がベースとなっている。この世で最強の男が持つ“一番”のハチマキ。それを持つ父が“二番”のハチマキを持つジャスティス(声は「ヘルボーイ」ことロン・パールマン!)というガンマンに斬殺される。決闘の場に立ち会った息子は、父の復讐を誓い、奪われた“一番”のハチマキを取り戻すため、“二番”のハチマキを締めて修行の旅に出る。

 この“一番”と“二番”にはルールがある。一番は神を示し、誰でも挑戦できるわけではない。唯一、挑戦できるのは二番のハチマキを持つ者である。しかし二番のハチマキには誰でも挑戦することができるので、その所有者は常に命を狙われる存在となるのだ。主人公アフロサムライはその二番のハチマキを締めているので、常にさまざまな挑戦者に襲われ続ける人生を送っている。

 物語の背景となっているのはどうやら日本らしいが、時代設定は特定不可能となっている。みんな江戸時代のような服を着て、日本家屋に住んでいるかと思えば、携帯や電子双眼鏡を持っていたりもする。しかし武器に関して言えばメインは刀で時折銃火器を使うものもいるのだ。同じGONZO製作の「SAMURAI 7」も同様の世界観なので、そうしたジャンルを楽しめる人ならば素直に受け入れることができるだろう。

 話を戻すと、凄腕の剣士に成長したアフロサムライは並み居る敵を倒しつつ、時には宿命のライバルと向かい合い、やがて父の敵であるジャスティスに戦いを挑むことになる。物語には少年時代のアフロのエピソードも随所に盛り込まれ、アフロサムライが単なる超人でないことも同時に描かれ、奥の深いものになっているのが分かるだろう。

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