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» 2008年03月14日 12時37分 UPDATE

DVDレビュー:れこめんどDVD:「インベージョン」(Blu-ray Disc) (1/2)

ジャック・フィニィのSF、「盗まれた街」が4度目の映画化。ニコール・キッドマンら豪華キャストはBDでどう映る?

[飯塚克味,ITmedia]

「盗まれた街」4度目の映画化、いずれも力作

「インベージョン(Blu-ray Disc)」

発売日:2008年3月7日
価格:4980円
発売元:ワーナー・ホーム・ビデオ
上映時間:99分(本編)
製作年度:2007年
画面サイズ:ビスタプサイズ
音声(1):ドルビートゥルーHD/5.1ch/英語
音声(2):ドルビーデジタル/5.1ch/英語
音声(3):ドルビーデジタル/5.1ch/日本語

 ジャック・フィニィの侵略SF「盗まれた街」の4回目となる映画作品「インベージョン」がBlu-ray Discで発売された。人体を乗っ取る謎の宇宙生命体の恐怖を描く本作はなぜ4度もリメイクされてきたのか? ニコール・キッドマン、ダニエル・クレイグなど現代を代表する豪華キャストの活躍はBDではどのように映るのか? 早速チェックしてみた。

 1955年に出版されて以来、今回で4回目の映画化となる「盗まれた街」。1回目は「ダーティ・ハリー」のドン・シーゲル監督による「ボディ・スナッチャー/盗まれた街」(1956)、その後「ライト・スタッフ」のフィリップ・カウフマン監督が「SF/ボディ・スナッチャー」(1978)としてリメイク。3回目はインディーズ出身のアベル・フェラーラ監督が挑戦した「ボディ・スナッチャーズ」(1993)。いずれも甲乙つけがたい力作となっているのは珍しい例と呼べるだろう。

 今回の「インベージョン」も製作に「マトリックス」のジョエル・シルバー、監督に「ヒトラー〜最期の12日間〜」のオリバー・ヒルシュビーゲルというかなり強烈なメンバーが顔を揃えることとなった。主演はニコール・キッドマンとニューボンドことダニエル・クレイグ。偶然だろうがこの2人は現在公開中のファンタジー作品「ライラの冒険/黄金の羅針盤」でも共演を果たしている。

 ニコール・キッドマンは説明不要のオスカー女優だが、極めて個性の強い監督の作品を選ぶ傾向があり、これまでにもラース・フォン・トリアー監督の「ドッグヴィル」やスティーブン・シャインバーグ監督の「毛皮のエロス/ダイアン・アーバス 幻想のポートレイト」など普通の女優なら避けて通りそうな作品にも出演している。今回のオリバー監督も当然「es[エス]」や「ヒトラー〜最期の12日間〜」を見た上での出演了承だろうが、期待に応える活躍を見せてくれている。

時代にそったテーマ。今回は人間性の欠如

 内容は宇宙から飛来した生命体が人類に寄生し、知らぬ間に次々と侵略を行っていくというもの。眠っている間に人体を乗っ取るので、家族や知人にしてみればいつの間にか、昔馴染みが別人になっているという恐ろしい話だ。乗っ取られた人間は感情を失ったように変容してしまう。

 最初の映画化のときは共産主義者への圧迫が厳しかった時代で、人間不信が産み落とした社会派SFという見方をされてきた。今回の映画化にあたっては飛来した生命体が細菌として扱われ、人間性の欠如が大きく取りあげられていることに気付かされるはずだ。あらゆる感情を欠いた結果、攻撃性もなくなり個性そのものも埋没していってしまう。しかし誰もそんな人間になりたくない。

 ニコール演じるカウンセリング医師キャロルは「世界平和のため、何かができるはず」と強く信じて疑わない。しかし人間性の喪失が世界平和への最短距離という事実を突きつけられ、それを拒否せざるを得ないというのは皮肉としか言いようがない。結局、人類は戦争や貧困を無くすことはできないのだろうか?

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