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三菱初のBDレコーダー「DVR-BZ200」を検証する(3)(3/3 ページ)

» 2008年06月18日 14時29分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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ユーザーのうっかり予約忘れを防ぐおすすめ自動録画

 前回うっかり忘れていたので、ここで自動録画機能の「おすすめ自動録画」にも触れておきたい。レコーダーで自動録画というと、ソニーや東芝製品のユーザーがキーワードやジャンルを指定する自動録画機能を思い出すだろうが、本機の場合にはユーザーがうっかり連ドラの次回予約を忘れた、といったミスをカバーする機能に近い。

photo 「おすすめ自動録画」の設定画面。「切」「入(安心型)」「入(発掘型)」「入(安心+発掘型)」が選択可能。1日の最大の自動録画数が1/2/4が選択できる。「安心型」はレコーダーには不慣れ、という人にこそ使ってほしい機能なのだが、「おすすめ自動録画」の設定は普通に設定項目の1つとして埋もれてしまっているのがもったいない気がする

 「おすすめ自動録画」は、「安心型」「発掘型」の2つが準備されており、前者は連ドラなどを予約録画すると、次回の放送も可能であれば予約録画してくれるという分かりやすいタイプだ。カタログでは「ユーザーの好きな番組の傾向から」と記述されており、自動録画のアルゴリズムは正確には分からないが、使用中にはっきり分かったのは、毎週放送される番組であれば一度(単発で)予約録画すると翌週も自動予約が行われるということだ。本機は予約時に連ドラなどを判断して自動的に毎週予約を設定するような機能を持っていないが、この機能でおおむねカバーできそうだ。

 「発掘型」は、過去の録画履歴から趣向(おそらくは番組ジャンル中心)を推測し、同種の番組を自動で録画予約するタイプ。ただしドラマやアニメといった大雑把な趣向ではあまりに自動録画が増えすぎてしまうので、このあたりはうまく絞り込んでいるようだ。少なくとも、レビュー中にやたらめったら「発掘型」で自動録画されることはなかった。

photo 自動予約には録画予約一覧で「安心」「発掘」のロゴも表示される。ちなみに特番を録画予約しても翌週のレギュラー番組が自動予約されることはなかったので、「安心型」でも無条件に同曜日、同時間帯の番組を自動録画する訳ではなさそうだ

 「安心型」と「発掘型」は両方、もしかは片方のみを有効にすることも可能で、録画モードと一日の自動録画の最大数を指定できる。使い込んでいくとまた違うのかもしれないが、「安心型」は基本的に、過去に録画した番組しか録画しないので、保険のつもりで有効にしておいても構わなさそう。また本機はHDDの残量が10%を切ると古い録画番組から自動削除を行う機能を備えており、自動録画でのHDD容量不足にも対応する。録画番組には保護機能もあるので、保存しておきたい番組は保護に設定しておけば自動削除はされない。

独自の位置付けを確保したBDレコーダー

 BZ200は、ソニー、パナソニック、シャープに続く4社目のBDレコーダーといえる。パナソニックからシステムチップの供給を受けており、その影響が皆無ではないが、基本的には同社のDVDレコーダーから発展したものだ。BDレコーダーに関してはOEM製品に切り替えるメーカーも多い中、自社開発を選択した同社の姿勢にはまず拍手を送りたいし、1980年代の同社製テレビやVHSデッキの黄金期を知る身としては嬉しく思う。

 現状ではBDレコーダーメーカーとしてはもっとも後発になるが、製品の位置付けも確保した「オートカットi」「ハイライト再生」「楽曲再生」はダビングへの応用も可能な点も含めて競合製品との差別化が可能。2番組同時録画でも制限なく機能する点も評価できる。オートカットiに準じた機能は東芝「VARDIA」も搭載しているが、こちらは2番組同時録画時に片方の録画でしか機能しない。

 ユーザーインタフェースに関しては簡単、シンプルという点は認めるが、単にオーソドックスすぎる印象はぬぐえない。ハイビジョンで録る、見るという基本操作に限れば悪くないが、それだけでは「ブルーレイDIGA」や7月に販売開始が予定されているHDD内蔵の「AQUOSブルーレイ」などとキャラクターがかぶることになる。オートカットiやおまかせ自動録画などせっかくの特徴的な機能なのだから、もう少し使いこなしという点で工夫がほしかった。もっともっと積極的に使いたくなるよう、全面に押し出しても良いと思う。少なくともユーザーインタフェースに関しては、まだ改善の余地が多いはずだ。

 もちろんBDレコーダーとしての基本性能はしっかりしているし、既に必須の機能となりつつあるMPEG4/AVC記録の画質も良好。編集機能はミニマムではあるものの、求めるものがCMカットであればオートカットiがおおむねカバーしてくれる。おまかせ自動録画も設定さえ適切に行っておけば、レコーダーに不慣れな家族と共用するにも便利な機能だろう。ヘビーユーザーが個人で利用するには物足りない部分もあると思うが、家族とリビングで使うBDレコーダーとしての魅力は多い製品に仕上がっている。

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