麻倉氏: 従来のIPTVは、基本的にビデオ・オン・デマンドでした。パナソニックのVIERAシリーズに「YouTube」を視聴する機能が入っていたように、ネットワーク動画配信サービスを利用できるテレビであり、見たい番組を見るためのものといえます。
一方のスマートテレビというのは、昨年あたりからサムスンやLGエレクトロニクスといった韓国勢が言い出した概念です。まとめてみますと、
といったところです。
現在、lean forward型の象徴的な存在といえるのが、「Google TV」でしょう。パソコンと同じ検索画面がテレビに表示され、キーボードで入力できます。それだけではなく、例えばある映画を見たいと思って検索すると、IP伝送の動画配信サービスとCATVの番組表からとってきた情報が同じ画面に並びます。あらゆるメディアを横断したコンテンツ一覧を扱えるようになるのです。
Google TVプラットフォームを採用した初のテレビ「Sony Internet TV」を北米で発売したソニーは、当初、若いユーザー層に照準を合わせていたそうです。しかし、実際にはビジネスマンや中高年層も多くユーザーになっています。最近は米国のビジネスマンが夕食と家族との団らんを終えた後、リビングルームで仕事をするといったケースも多いそうです。彼らはキーボードを使ってコミュニケーションをとることが常態化しているため、lean forward型テレビを受け入れやすいのでしょう。
パナソニックも“Smart VIERA”という呼び方でスマートテレビを発表しました。あわせて、従来の「VIERA CAST」を大幅に拡張したクラウドサービス「VIERA Connect」をリリースし、タブレット端末「VIERA Tablet」から直接利用できるようにしています(→パナソニックブースで「VIERA Tablet」に触ってみた)。
パナソニック ノースアメリカの北島嗣郎社長に話を聞く機会があったので、なぜ「VIERA CAST」ではいけないのかと尋ねたところ、「サービス名が表に出ていた」ことを挙げました。つまり、「Picasa」や「YouTube」といったアイコンは消費者に受けない。YouTubeに行ってお目当ての動画を探すより、例えばサッカー好きの人にとっては、テレビ画面にサッカーのアイコンがあったほうがいい。コンテンツが主体にならないといけない、ということです。
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