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一番お手軽なサラウンド? オーテクのワイヤレス・サラウンドイヤフォン「ATH-DWL3300」野村ケンジのぶらんにゅ〜AV Review(1/2 ページ)

» 2012年09月28日 15時47分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]
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 ヘッドフォンからテレビ、ホームシアターまで、さまざまなジャンルの数多あるAV系新製品のなかから注目の新製品をピックアップし、いち早いレビューをお送りしていく「野村ケンジのぶらんにゅ〜AV Review」。今回はオーディオテクニカのワイヤレス・サラウンドイヤフォン「ATH-DWL3300」を紹介しよう。

「ATH-DWL3300」は、送信機(トランスミッター)と受信機(レシーバー)、専用イヤフォンなどのセット商品だ。価格はオープン。実勢価格は3万円前後になっている

 「ATH-DWL3300」は、筆者が知るかぎり世界初の、カナル型イヤフォンを採用したワイヤレス・サラウンドヘッドフォンだ。一般的にサラウンドヘッドフォンといえば、室内で使うことや、サラウンド感の再現性などから、オーバーヘッド、中でもアラウンドイヤータイプのヘッドフォンがチョイスされることがほぼ100%なのだが、「ATH-DWL3300」では、ユニークなことにカナル型のイヤフォンが採用されている。これは、とても珍しいことを超えて、かなりチャレンジングなパッケージといえる。

 実はコレ、ちょっとしたきっかけからサラウンドにイヤフォンを組み合わせることを思いついたのだという。それは、「寝転がって映画を見ようと思ったら、ヘッドフォンのハウジングがじゃまだった」というのだ。そこから発想がスタートし、もっと手軽にサラウンドを楽しむことができないかを試行錯誤して、ATH-DWL3300のプランに行き着いたのだという。

 確かに、いまやヘッドフォンはカナル型イヤフォンが全盛の時代。室内でも(スピーカーでなく)イヤフォンを使っている人が多いようなので、「サラウンドも使い慣れたカナル型イヤフォンの方がしっくりくる」と思っている人も少なくないはず。そういった点で、ATH-DWL3300はよりユーザーフレンドリーであることを目指した製品だ、ということが分かる。

 そういったコンセプトの徹底は、製品の詳細を見ていくとよくうかがえる。例えば本体は、トランスミッターに関しては昨年発売されたオープンエアー型ヘッドフォンを採用する「ATH-DWL5500」とほぼ同じ(互換性はない)ながら、「ATH-DWL3300」ではイヤフォン側にコンパクトサイズのレシーバーを用意。こちらですべての操作が行えるようになっているし、メンテナンス性を考え、イヤフォンとレシーバー部が取り外せるようにもなっている。

付属のトランスミッター。光デジタル入力2系統、アナログ入力、光デジタルスルー出力2系統を備えている。外形寸法は、151(幅)×43(高さ)×127(奥行き)ミリとコンパクトなため、テレビラックのちょっとしたすき間にも入りそう

 レシーバーをイヤフォンと一体化した方が手軽なのでは!?という意見もあるだろうが、そうすると大柄なイヤフォンになってしまうという、本来の特徴を犠牲にする製品ができあがってしまうし、さらに操作ボタンの配置は不可能な状態になってしまうだろう。そういった点から見ると、妥当な選択と思える。一方、レシーバー部自身は、ブラインドタッチでの操作が行えるようボタンの感触に工夫を凝らすなど、使い勝手の面でも精査されている点も好ましい。

 ちなみに、ワイヤレス・サラウンドヘッドフォンとしてのスペックはというと、ドルビープロロジックIIxの7.1chサラウンドやドルビーヘッドフォン、ドルビーデジタル、DTS、AACに対応しているため、十分な充実度といえる。また、ワイヤレス部は2.4GHzの無線方式を採用しているので、赤外線方式やBluetoothに対して、音質面では基本スペック的にアドバンテージを持ち合わせているのも確かだ。

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