最近はまた“全録”レコーダーが注目を集めつつあるが、好きな番組を確実に録画できれば十分と考えるユーザーも多い。今回は、東芝製レコーダー製品のうち、トリプルチューナーを搭載した「DBR-T360」を取り上げる。必ずしも直系とはいえないものの、熱狂的なファンが多かった「RDシリーズ」のエッセンスが注ぎ込まれたミドルレンジ製品に注目してみたい。
なお、本機には期待と意味も含めて、現在でもRD/RD-BZシリーズを愛用している筆者目線での評価も加味されることをお断りしておく。このため少し辛口になってしまうかもしれないが、この点はお許し頂きたい。
まず、簡単にラインアップをおさらいしておこう。東芝の2012年冬モデルとして登場したのは、「DBR-T360」「DBR-T350」「DBR-Z320」「DBR-Z310」の4製品だ。基本機能やデザインを共通とする姉妹製品で、“T”を冠する製品は地上/BS/CS110度デジタル放送の3チューナーを搭載し、3番組の同時録画が可能。さらに「スカパー!プレミアム」のネットワーク録画を加えると最大4番組となる。
一方、“Z”を冠する製品は3波対応デジタルチューナーが2つのため、2番組同時録画に対応。スカパー!プレミアムサービスを加えると最大3番組同時録画になる。
USB外付けHDDにも対応する。最大8台を登録・管理できる点は他社製品を含めて一般的になったが、USBハブを介して4台を同時接続できるのはいまだにユニークだ。最大4TバイトのUSB外付けHDDを利用できるため、外付けだけで最大16Tバイト、内蔵HDDを合わせると最大18Tバイトという大容量ストレージが利用できることになる。パナソニック“DIGA”(ディーガ)のようにUSB HDDに複数番組の同時録画はできないが、内蔵HDDに録画し、必要に応じて外付けHDDにダビングする方が安心という人も多いだろう。ヘビーな録画ユーザーにとっては、複数台を同時接続しておける方が魅力的かもしれない。
本体サイズは、先代「DBR-Z260/Z250」に続き、奥行きが20センチを切るコンパクトさ(突起部除く)。先代ではスロットインタイプだったBDドライブは一般的なトレイタイプになり、左端に配置された。フロントマスクは、下半分だけをカバーでおおったレコーダー然としたデザインになっている。
背面端子は、HDMI出力と光デジタル音声出力、コンポジット出力など。徐々に省略されるつつあるアナログ入力(コンポジット)も残されている。無線LANにはアダプターで対応するため、背面には無線LANアダプター専用とUSB外付けHDD接続用の2つのUSBポートを用意している。また、AVCHDカメラなどの接続用に前面にもUSB端子がある。
DBR-Z260/Z250との機能的な差異をチェックすると、録画機能ではスカパー!プレミアムの録画が独立動作となり、USB HDDへの対応が強化された。一方で、「HDRec」の再生とHDD内ダビング時の高速トランスコードが省略されている。マスのユーザーにとってはさほど気にならないと思うが、高速トランスコードに関しては少しもったいない気がする。HDRec非対応に関しては賛否両論あるだろうが、個人的には東芝ももう責任は果たしたかなと考えている。
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