ITmedia NEWS >

水平対向ユニット搭載の超個性派イヤフォン、「Flat4-玄(KURO)」を聴く野村ケンジのぶらんにゅ〜AV Review(1/2 ページ)

» 2013年05月23日 19時48分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]

 いまや日本最大のポータブルオーディオイベントとなった「ヘッドフォン祭」だが、大手メーカーが軒並み出展しているいっぽうで、個性的なガレージメーカーの相変わらず見られるのはうれしいところだ。音茶楽(おちゃらく)もそんな、国産ガレージ系メーカーの1つ。2つのドライバーを対向して配置、両者を位相補正パイプで接続するというユニークな構造を採用するなど、オリジナリティーあふれる製品作りが特長となっている。

「Flat4-玄(KURO)」。2つの盛り上がった場所にダイナミック型ドライバーが入っている。価格は4万2000円

 その最新モデルにして、春のヘッドフォン祭で初披露(プレスリリースはイベント前に出た)となったのが、今回紹介する「Flat4-玄(KURO)」だ。メインモデルの「Flat4-粋(SUI)」同様、2つのフルレンジユニット(同ブランドではユニットをエレメントと呼ぶ)を対向して設置するFlat4(Full-range 2-element 4-way effect)方式を搭載しつつ、制振処理を施したアルミ製キャビネットや天然繊維シートの採用、位相補正チューブへの制振材の塗布などを行うことによって、「Flat4-粋(SUI)」ではわずかに残っていた機械振動による余分な響きを解消しているという。

 かなり個性的なデザインで、サイズ的にも小柄とはいえない筐体(きょうたい)を持つ「Flat4-玄(KURO)」だが、思ったよりも軽量なことと、ノズル部に微妙なアングルが付いていること、コンプライフォーム・イヤーチップを採用したおかげなどもあって、装着感は悪くない。軽快だし、耳よりこぼれ落ちることもない。

 一方、かなり細めのケーブルは、軽くて扱いやすいうえ、表面処理に工夫しているのか、ややこしく絡まってしまうこともない。また、タッチノイズに関しても、完璧とまではいかないが、必要十分には抑えられている印象だ。プレイヤー側のステレオミニコネクターも細身のタイプが採用されており、スマートフォンにカバーを付けていても問題なく装着できる点には好感を持った。

ノズル部に微妙なアングルが付いている(左)。ケーブルは細めだが、絡まりにくい。ステレオミニコネクターも細身でカバー付きのスマートフォンでも問題なく使用できる(右)

 試聴には、メーカーが80時間ほどエージングを行ってくれたものを借り出し、加えてこちらでもバーンイン信号を40時間ほど再生し続けた後に行った。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.