ITmedia NEWS >

「プロジェクターの4Kシフトを加速させる」――ソニーが「VPL-VW500ES」を投入価格が半分に(1/2 ページ)

» 2013年10月09日 13時07分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 ソニーは10月9日、4K対応のフロントプロジェクター「VPL-VW1100ES」および「VPL-VW500ES」を発表した。このうちVPL-VW500ESは、価格を従来の半分にあたる84万円に抑えたモデル。低価格機の投入により、「プロジェクターの4Kシフトを一気に加速する」(ソニー)。11月15日に発売する予定だ。

「VPL-VW500ES」。デザインは「VPL-VW1000ES」を踏襲しており、表面は梨地処理だ

 画質のキモとなる4K対応の「SXRD」は、上位モデルと全く同じ0.74インチ。業務用の4Kデジタルシネマプロジェクターと同じDCI(デジタル・シネマ・イニシアティブ)推奨の解像度である4096×2160ピクセルとなっている。シリコン駆動基板は、表示輝度ムラを防ぐために表面を平坦化。液晶層の厚みを均一にして光の乱反射を抑えた。またRGBそれぞれのパネルを“固着”させる技術にプロ用カメラのイメージャー技術で培った技術を投入。パネル精度を向上させ、画素の色ズレが原因で発生する色の濁りやにじみの少ない正確な色再現を可能にしたという。フレームレートは、「VPL-VW1000ES」と同じ120Hzだが、今回は3D再生時にも4K解像度で表示できるようになった。

4K対応の「SXRD」は上位モデルと全く同じ0.75インチ(左)。HDMI 2.0入力を装備。4K/60p入力が可能(右)

 またHDMI 2.0をサポートしたことにより、4K/60p入力が可能になった。スポーツや音楽ライブといったコンテンツでも解像度の高い動画が楽しめる。なお、HDCP 2.2のサポートについては情報を公開していない。

「Mastered in 4K」モードを搭載、国内での販売は「今年度中」

 データベース型超解像処理LSI(リアリティークリエーション)もVPL-VW1000ESから継承したもの。3Dを含むフルHD解像度の映像信号を高精細な4K映像信号に変換する。従来と異なるのは、新たに「Mastered in 4K」専用モードを搭載したこと。Mastered in 4K Blu-ray Discを再生する際、設定の「データベース」メニューから「Mastered in 4K」を選択すると、色域やアップスケール時のフィルターなどが最適化された設定となる。

「データベース」メニューから「Mastered in 4K」を選択すると、色域やアップスケール時のフィルターなどが最適化される

 「Mastered in 4Kは、特典映像などを廃して映像のビットレートを上げたことに加え、x.v.YCCプロセスによる広色域、そしてソニー製品については“オーサリング時と同一のフィルターでアップスケーリングを行うことで、オリジナル4Kマスターの画質にさらに近づける”というメリットがある。映像のビットレートは通常のBDが25Mbpsから30Mbps程度なのに対し、Mastered in 4Kでは35Mbpsから45Mbps。「10Mbpsの違いでS/Nの向上に加え、色のりが良くなる」(同社)としている。なお、一般のBD再生時に同モードを使用することは推奨されないという。

「Mastered in 4K」再生の概要

 Mastered in 4KのBDは国内未発売だが、北米市場では5月からソニー・ピクチャーズが販売を開始しており、現在は「スパイダーマン」など15タイトルをラインアップ。同社によると、国内展開は「今年度中」になる見通しだ。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.