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iPhoneの音をグレードアップ! Astell&Kern「AK10」を試す 野村ケンジの「ぶらんにゅ〜AV Review」(1/2 ページ)

» 2013年11月08日 20時44分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]
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 Astell&Kernブランド第4のモデル「AK10」は、ハイレゾ対応ポータブルプレーヤーとして人気を博している「AK100」をベースとしたポタアン(ポータブルヘッドフォンアンプ)。接続はiPhone/iPodとのデジタル接続がメインで、アナログ接続は用意されていない。とはいえ、iPhone/iPodデジタル接続の本格派ポタアンとしては、格段にリーズナブルといえる。その一方で、Windows PCやMacとUSBケーブルで接続し、96kHz/24bit対応のUSB-DACとしても活用することができる。

Astell&Kern「AK10」

 まず目をみはるのがサイズのコンパクトさだ。「AK10」は約54ミリの正方形ボディーに厚み約13.2ミリと、iPhoneの裏にしっかりと収まる、高さにして半分以下のミニマムサイズを実現。これで「AK100」同様に英Wolfsonの「WM8740」DACを搭載するなど、SN比110dBを誇るサウンドを実現しているのだから驚かされる。

 こういったコンパクトさと良音質の両立を売りにしていることもあってか、タッチパネルなどは搭載されておらず、操作系はボリュームダイヤルとロックを兼ねた電源スイッチ、再生/曲送り/曲戻しボタンがあるのみのシンプルな構成。とはいえ、ボディーいっぱいのサイズを持つアナログライクなボリュームダイヤルなど、デザイン面では“ちょいオシャレ”な演出が施されていて、なかなかに好感が持てる。

アナログライクなボリュームダイヤル(左)。操作ボタン。余談ながら「AK10」はUSBコントロールデバイスとしての機能を持ち合わせているため、PCのオーディオプレーヤー、iTunesなどを操作できる。再生/停止、曲送り/曲戻しなど、使えるコマンドは最小限だが、再生デバイスが「AK10」でなくてもコントロール機能は活用できるため、離れた場所のPCであっても、USBケーブルで接続していれば音楽再生を操作することが可能だ(右)

付属のケーブル。コネクターは独自形状となる

 一方、ユーザビリティーの面では、やや個性的な部分が垣間見られる。iPhoneとの接続には、同梱(どうこん)されている専用ケーブルを活用するようになっているが、「AK10」側のコネクターが独自形状となっているため、アフターマーケットにある高級Lightingケーブルなどは利用できない。こちらはまだショートケーブルが付属しているため問題にはならないが、Androidと接続したい場合は別売の専用MicroUSBケーブルが必要となる。耐久面でのメリットを考えて専用コネクターを採用したと予想されるが、どちらにしろケーブルは最も早く痛む部分。リケーブルの楽しさなども考慮して、MiniUSBなど汎用性の高いコネクターを採用してもらえるとありがたかった。

 また、iPhoneとの接続が成立しているのかしていないのか、いまひとつ判断しにくい点や、現在のバッテリー残量も分かりにくいなど、いくつか不便に感じた点はある。とはいえ、接続に関しては操作ボタンを使ってみればひと目で分かるし、バッテリーも10時間以上もつため、このあたりは使い続けていくうちに慣れてしまうだろうから、それほど不便に思うことはないだろう。

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