インタビュー
» 2013年11月12日 12時00分 UPDATE

見放題を“使い倒す”方法、教えます──Huluトップページの秘密 (1/2)

思わず見直してしまうテーマとタイトルで、知らない作品と出会うきっかけを作るHuluの特集ページ。自分の仕事を、「Huluを“使い倒してもらう”こと」と話す担当者に詳しい話を聞いた。

[芹澤隆徳,ITmedia]

 就寝前、いつものように「ウォーキング・デッド」の続きを見ようとHuluを開いて思わず手が止まった。おいしそうにうどんを食べる人たちの画像と「まいうーな作品集」というタイトル。食欲の秋にぴったりの、グルメがテーマの映画や番組を集めた特集のようだ。ご丁寧に「お腹が空くので要注意」と書いてあったがもう遅い。ゾンビよりも破壊力のあるタイトルの数々に負け、深夜1時をまわってから「孤独のグルメ」とカップ麺を堪能してしまった。

ts_huluint01.jpg お腹がすくので要注意

 視聴者の“見たいもの”は、そのときの気分次第でコロコロ変わるものだ。そんな気まぐれなニーズに対し、見たいものを好きな時間に見られるというのは、HuluのようなSVOD(Subscription Video on Demand:定額制ビデオ・オン・デマンド)の良いところだろう。一方、運営会社にとっては、いかに多くのコンテンツに触れてもらい、顧客満足度を上げるかが重要。その晩、予定外のコンテンツを見たことは、「まいうーな作品集」を作った人にとって満足のいく結果だったにちがいない。カップ麺の件はともかくとして。

映画好きが作るHuluの“お店”

ts_huluint02.jpg 「Huluのお店作り担当」ことジオ・リー氏

 Huluで特集の運用を担当しているのが、韓国出身のジオ・リー氏だ。大学で映像制作を専攻し、20世紀フォックスのプロモーション担当や国内大手ビデオレンタルチェーンのバイヤーも経験したという、根っからの映画好き。今年1月からフールージャパンLLCでコンテンツパートナーのマネジメントとエディトリアルを担当しており、トップページに掲載する特集や作品の選択も任されている、いわば「Huluのお店作り担当」だ。

 自分の仕事を「Huluを“使い倒してもらう”こと」と言い切るリー氏は、定額制の見放題だからこそ、ユーザーに対するリコメンドは重要だという。「Huluに来たら人気作品以外でも『おっ』と思う作品を紹介したい。そのために特集には力を入れています」。

 Huluトップページには、新着タイトルや注目タイトルと並び、「トレイ」と呼ばれるワイドな枠を使った特集が常時複数用意されている。問題(?)の「まいうーな作品集」もその1つ。ただ、コンテンツの量も“売り”のサービスなら、多くのタイトルを並べようとするのではないか。実際、他社のサービスではその傾向も強いが、一方でHuluのトレイは意外なほど大きな画像とフォントでスペースをぜいたくに使っている。

 「私は、単にたくさん見てもらうことだけが良いとは思っていません。それだけなら『ウォーキング・デッド』のようなメジャーなタイトルを多く並べるだけで数字は上がるでしょう。Huluが重視しているのは、知らなかった作品に出会う“きっかけ”。これまでになかった切り口のテーマを増やしたいと考えています」。

ts_huluint05.jpg 「倍返しの復讐劇」という特集

 さらにユニークなのは、タイトルに“旬”なキーワードを入れて自然と目に入るようにしていることだ。例えば、世間でNHKの連続テレビ小説「あまちゃん」が話題になっていたら、小泉今日子さんが過去に出演した作品にフィーチャーした特集を作り、タイトルには「じぇじぇじぇ」。ドラマ「半沢直樹」が注目を集めていたら、復讐劇の特集を組んで「倍返し」のフレーズを使う。さらに、ドラマの最終回が放送されるとすぐに「100倍返し」に切り替えるなど、実はけっこう芸が細かい。それを敏感に察知したユーザーが、Twitterなどで「Huluがうまいことやった」「便乗してる www」などと、つぶやくことも増えた。

       1|2 次のページへ

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

この記事が気に入ったら
ITmedia LifeStyle に「いいね!」しよう