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最強プレーヤーを進化させた脳科学的なアプローチ――OPPO「BDP-105DJP」山本浩司の「アレを観るならぜひコレで!」(1/2 ページ)

» 2014年02月20日 19時32分 公開
[山本浩司,ITmedia]
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 2014年2月現在、世界最強のユニバーサルプレーヤー(Blu-ray Discプレーヤー)だと筆者が信じるOPPOの「BDP-105JP」にニュー・バージョンが加わった。「BDP-105DJP」である。

「BDP-105DJP」。価格は17万1250円(税抜き)

 「JP」(日本バージョンの意)の前に加えられた型番の「D」は、新たに採用された映像信号処理回路「DARBEE VISUAL PRESENCE」(ダービー・ビジュアル・プレゼンス)の頭文字から採られている。ちなみに「BDP-105DJP」と「BDP-105JP」の音声信号処理回路、電源回路の構成はまったく同じで、機能もほぼ同じ(小さな違いは後述)。また両者は当面併売されるとのことで、標準価格は前者が17万1250円、後者が15万5000円となっている(ともに税抜き)。

脳科学的なアプローチに基づく映像処理

 DARBEE VISUAL PRESENCEとは、米国カリフォルニア州に本拠を置くDARBEE VISION(ダービービジョン)が開発した、最新の画像処理アルゴリズムに基づく映像信号処理回路のことで、そのコンセプトが非常に興味深い。「人間は物体の立体感をどのように認識するか」「人間は物体を認識するとき、どの部分を注視するのか」という脳科学的なアプローチに基づいた独自の画像解析技術が用いられているのである。

 その画像処理プロセスを紹介しよう。まず入力されたソース画像から、両眼視差に基づいて左目用画像と右目用画像を生成する。次にそれぞれの輝度情報(色信号は用いない)からデフォーカス情報を生成、その左右のデフォーカス情報から「突起情報マップ」を作り出す。そして、元のソース画像に突起情報マップを加算して、ダービー出力を得るという仕組みだ。

「DARBEE VISUAL PRESENCE」の効果(イメージ)

 説明を聞いても「突起情報マップ」という概念がいまひとつピンとこないが、これこそが人は「物体の立体感をどのように認識するか」「物体を認識するとき、どの部分を注視するのか」という概念の根幹から導き出された重要なデータなのだろう。

 ちなみにこのダービー回路は、FPGA(プログラムが書き込める汎用素子)にプログラミングされており、その後段の映像信号処理回路には、新たにシリコンイメージ製「VRS Clear View」ビデオプロセッサーが採用されている(BDP-105JPのそれはマーベルの「Qdeo」ビデオプロセッサー)。


 実際に本機のHDMI出力を、新たに自室に導入した4Kプロジェクターのソニー「VPL-VW500ES」に接続し、その効果を検証してみた。ちなみに2系統ある「BDP-105DJP」のHDMI出力のうち、HDMI1のみがダービー出力が得られる設計なので、当然ながらその出力を「VPL-VW500ES」につないだ。

HDMI出力は2系統あるが、ダービー出力が得られるのは「HDMI 1」のみだ

 本機ホームメニューの「ビデオ設定」内に画質調整項目があり、ここでダービー回路の効き具合が調整できる。ダービーモードは3種類。HD映像向けの「Hi-Def」、ゲームソフトやCG画像向けの「Gaming」、そしてネット動画やDVDなど低解像度コンテンツ用の「Full Pop」の3つである。いずれもそのレベル(効き具合)を0 〜120%の範囲で調整可能で、調整後のデータは3パターンまでメモリーできる。ダービー回路の信号処理はフレーム内処理となり、動画ボケが生じないというのも注目ポイントだ。

 4Kマスタリングが一般化しつつある昨今、ハリウッドのメジャー系スタジオの映画Blu-ray Discには、ほんとうに目の覚めるような高解像度作品が多い。今回はMastered in 4K作品の「アフター・アース」、前回の当連載でご紹介した「華麗なるギャッツビー」、「オブリビオン」などの高画質映画BDで「Hi-Def」モードのダービー出力の画質を検証してみたが、実に興味深い結果が得られた。

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