コラム
» 2014年06月06日 20時05分 UPDATE

本田雅一のTV Style:機能でも”カッコよさ”を追求する欧州の4Kテレビ (1/2)

「IFA Global Conference」の番外編として欧州を中心としたテレビメーカーの動向を紹介しよう。あまり馴染みのないメーカーばかりだが、日本メーカーとは全く違う方向性が面白い。

[本田雅一,ITmedia]

 先月、トルコで開催された「IFA Global Conference」の様子を伝えたが、番外編として欧州を中心としたテレビメーカーの動向について書いてみたいと思う。番外編とするのは、登場するメーカーが日本ではあまり馴染みがないからである。

 GPCに登場したテレビメーカーは4社。オランダのTP Visionはフィリップスブランドのテレビを企画・開発している会社でご存知の方も少なくないだろう。フィリップスはかつて、日本の電機メーカーがお手本としていた企業だ。ドイツのGRUNDIG(グルンディッヒと読む)は高級イメージの強いデザイン性も高い製品を販売するブランド。VESTELはトルコを拠点とするメーカーで、普及価格帯のテレビ販売で欧州全体に強みを持つ。残り1社は中国最大の液晶パネルベンダーTCL。TCLはテレビ本体の生産も行っているが他社ブランドでの供給が多く、日本メーカーにも顧客はいるはずだが、欧州では仏トムソンのブランドで自社製品を拡大してきた。

 さて、バリエーション豊かな、しかし日本ではなじみのないメーカーが集まったGPC。各社はもちろん、今年後半に投入する予定の新製品や今年の戦略について話をしたのだが、こちらもまたバリエーション豊かで実に面白い。しかし一方で共通するワードもある。それは「4K」だ。各社のテレビ戦略を紹介するとともに、日本メーカーの動きとも対比しながら、グローバルのテレビトレンドを追いかけてみることにしよう。

 まずフィリップスブランドのテレビを開発するTP Visionの製品。テレビ背後の壁に映像と同期する光を投影する「アンビライト」で知られるフィリップス製のテレビだが、彼らは4Kテレビの最上位モデルに、Androidを用いてユーザーインタフェースやインターネットコンテンツへの接続機能を実装した8000シリーズを紹介した。

ts_philips01.jpg Androidを搭載したフィリップスの新製品

 サイズ展開は46V型と50V型で、大型テレビが売れない欧州市場を象徴しているが、それよりも興味深いのがAndroid OSの搭載だ。Androidをベースにしたテレビ向けプラットフォームならば、ご存じのようにこれまでもGoogle TVの機能を内蔵したモデルを各社が出していたが、フィリップスの8000シリーズはスマホ用とほぼ同じ。スマートフォンをMHL経由でテレビにつないでいるような感覚で使え、Google Playのアプリも利用できる。

 スマートテレビ的機能をAndroidアプリとして提供し、リモコンに関しても一般的な赤外線だけでなく、アプリ経由での連動を強化している。果たしてテレビでAndroidそのままを動かしてどうするの? という気がしないでもないが、実際にはリモコンでの操作を意識したカスタマイズもしっかり行われている。

 多くのネット動画アプリがAndroid向けにリリースされていることを考えると、VoDサービスやユーザー動画共有サービスの利用が盛んな国では、これも1つの解決方法なのかもしれない。

 一方、オーディオメーカーとして1908年に創業されたGRUNDIGは、オーディオ時代の成功を背景に高級ブランドとして欧州では知られた名前だそうだが、現在はトルコ資本下にあり、白物家電からテレビまで幅広いブランドの製品を展開しているという。その商品リストを見ると、なるほどドイツらしいヘアラインの金属調仕上げを多用したソリッドなデザイン。

ts_ultrahd02.jpg GRUNDIGの4Kテレビ

 オーディオメーカー時代の技術力や高品質のブランドイメージを活用し、シンプルなデザイン(機能面でもシンプルに)や使い勝手を前面に押し出した多様な製品をラインアップしている。こうしたやり方は、多くの古いプレミアムブランドが各地にある欧州の白物家電でよくあるそうだが、昨今はオーディオ製品やビジュアル製品にも、そうした発掘型プレミアムブランドとデザイン志向の商品設計が浸透してきている。

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