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「LINE」で家電を操作する未来がやってきた! 滝田勝紀の「白物家電、スゴイ技術」(1/2 ページ)

» 2014年06月18日 18時32分 公開
[滝田勝紀,ITmedia]

 LG Electronicsの「HomeChat」というサービスはご存知だろうか? 端的にいえば、「LINE」で家電とおしゃべりすることで、自在に操作できるスマート家電サービスのことだ。今年の「International CES」で披露され、大きな話題をさらったこのサービスが、4月に韓国国内でスタートした。

LG Electronicsの「HomeChat」の利用イメージ。「LINE」を使ってさまざまな家電と会話できる

 LG Electronicsのスマート家電サービスといえば、もともと「Smart ThinQ」が存在している。同社の対応家電である冷蔵庫、洗濯乾燥機、オーブンレンジをインターネットに接続することで、スマートフォンから遠隔操作できるというサービスだ。ただ、これは同社が用意するアプリケーション「Smart ThinQ」で操作するものであり、ほかのメーカーが行っている自社製品限定のスマート家電サービスと同等のものであった。

「Smart ThinQ」の利用イメージ

 だが、こういったスマート家電サービスがすでに存在しているにも関わらず、LG Electronicsはなぜ、新たに「HomeChat」を立ち上げたのだろうか? LG Electronicsのスマートビジネスセンター・コンバージョングループのファン・ジェソン次長にテレビ会議で話を聞くことができた。

LG Electronics、スマートビジネスセンターコンバージョングループのファン・ジェソン次長(写真手前)

 「現在、われわれが実用化している『Smart ThinQ』は優れたスマート家電サービスだと思いますが、目指すところは、さらに先にあります。スマート家電は世界中の人がもっと簡単にもっと手軽に使えないと、一部のアーリーアダプターだけが使うニッチなサービスとして、盛り上がらないと考えているからです。しかも、家電というものは、通常1社ですべて統一するものではなく、さまざまなメーカーのものを組み合わせて使うのが一般的。つまり、メーカーごとがそれぞれ自社でスマート家電のプラットフォームを作るのではなく、全社がボーダーレスで共通して使えるもの、さらにそれが非常に簡単であることが、スマート家電の成功要因だと考えるからです」(同氏)。

 つまり、自社の独自アプリケーションなどで使うのではなく、誰もが共通して使えるプラットフォームがスマート家電の成功に必要であり、そのツールとして、多くの人がすでに使い方を知っているモバイルメッセンジャーサービス「LINE」に白羽の矢が立ったというわけだ。とはいえ、なぜ「LINE」と手を組んだのか? 韓国国内だけをみれば、同じコミュニケーションサービスの「Kakao Talk」が人気No.1のモバイルメッセンジャーサービスのはず。

「LINE」を使った「LG HomeChat」の画面イメージ

 「韓国国内だけ見れば、確かに『Kakao Talk』は人気No.1のモバイルメッセンジャーサービスですが、グローバル観点から見ると違います。『LINE』の方が認知度が高く、多くの国で人気No.1のサービスとなっていることを鑑みて、われわれは『LINE』をツールとして選択いたしました。また、『LINE』がモバイルメッセンジャーサービスとして追求する方向性と、『HomeChat』のサービス方向性が一致したことも大きな要因です」。

 サービスはLG Electronicsの本国である韓国国内から4月にスタートしている。最初に「HomeChat」と接続された家電はエアコンだった。主に電源のON/OFFと温度調整を、「LINE」を使ってエアコンと文字で会話し、操作することが可能だという。5月に入ると、既存の「Smart ThinQ」に対応する洗濯機、冷蔵庫、オーブンレンジにもサービスが拡大。これらは「HomeChat」を通じて、どんなことができるのだろう?

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