インタビュー
» 2014年09月25日 14時57分 UPDATE

“猫砂”もクリアビンにまっしぐら――開発者が語る「Dyson fluffy」 (1/2)

fluffy(=ふわっとした)という名前の通り、ナイロンフェルトで覆われた柔らかいローラーを備えた「Dyson fluffy」(フラフィ)。その技術と開発の経緯について、来日した英Dysonのコードレスクリーナー開発責任者、ケビン・グラント氏に話を聞いた。

[芹澤隆徳,ITmedia]

 ダイソンがスティック型掃除機の新製品「Dyson fluffy」(DC74)を発表した。fluffy(=ふわっとした)という名前の通り、ナイロンフェルトで覆われた柔らかいローラー(ブラシバー)を備え、少々大きなゴミでも容易にクリアビンへ放り込む。その技術と開発の経緯について、来日した英Dysonのエンジニアでコードレスクリーナーの開発責任者のケビン・グラント氏に話を聞いた。

ts_fluffy04.jpg コードレスクリーナー開発を担当するエンジニアチームのトップ、ケビン・グラント氏と新製品の「Dyson fluffy」。なお、インタビューは複数のメディアが同席するグループ形式で行われた

 同社の「DC62」をはじめ、従来の掃除機は固いブラシを搭載した「モーターヘッド」がメインツールだ。ヘッドの横にモーターを内蔵し、ブラシを回してゴミをかき込む。しかしグラント氏によると「問題は大きなゴミをとるとき」という。

 床に転がっている大きめのゴミは、ヘッドの下にうまく入らず、先端部分で押してしまうことが多い。「ヘッドと床の隙間が小さいと大きなゴミが入っていかない。しかし隙間を大きくすると、エアプレッシャーの問題で今度は小さなホコリを取り逃してしまう」(同氏)。

 対して「Dyson fluffy」のヘッドは、先端部が従来より高い位置にあり、柔らかいローラーの下の部分が露出している。グラント氏は、このブラシバーと先端部の2つを「キーテクノロジー」と紹介。そして「大きなゴミと微細な塵やホコリ、どちらも取れるのがDyson fluffyの重要な部分だ」と胸を張る。

ts_fluffy05.jpgts_fluffy06.jpg 「Dyson fluffy」のヘッドは、先端部が従来より高い位置にあり、柔らかいローラーの下の部分が露出している

 まずブラシバーは、非常に細かく、柔らかいナイロン素材で「ゴミをつかんで吸引口に持ってくるようにした」。開発時には24種類もの素材を試し、最も良い結果を出したものを選んだという。ラシバーの中にある黒い4つのラインは固めのカーボンファイバー素材で、静電気の発生を抑える役目を持つ。「微細なゴミは静電気で床にくっついているが、これで取り除くことが可能になった」。

 また、床と接する部分にはフェルト素材をはり、密閉状態を作ることでエアプレッシャーの問題を解決。グラント氏は、「ブラシバーの毛足の長さ、カーボンファイバーの場所などもどこが最適なのか探った。例えば、フェルトを長くするとカーペットの上で回すことが難しくなり、バッテリーの消費も激しくなってしまう。床の素材など、あらゆることを考慮して、ベストのバランスを見つけなければならなかった」と振り返る。

ts_fluffy07.jpg 裏側。床と接する部分にはフェルト素材をはり、密閉状態を作ることでエアプレッシャーの問題を解決

 もう1つのポイントは、クリーナーヘッドの幅を可能な限り広げ、ゴミを一度にたくさん取り込めるようにしたことだ。そのため、ふわふわのブラシバーの“中”にモーターを入れるという新しいアプローチを試みた。「従来機種はモーターを横に搭載し、ベルトでブラシを駆動する仕組みだった。そのためゴミの取れない部分ができていたが、今回は最大限に大きくなっている。また結果的に重量のあるモーターを中央に設置したことでヘッドのバランスが良くなり、左右の方向転換なども反応が改善した。行きたい方向へすっと行ける」(同氏)。

ts_fluffy08.jpg ブラシバーを外したところ。軸になっていた部分にモーターが入っている

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