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シャープが力を入れる「Beyond 4K Ultra HD」とは?2015 CES(1/2 ページ)

» 2015年01月08日 21時42分 公開
[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

 米ラスベガスで開催中の「2015 International CES」は、“コンシューマエレクトロニクスショウ”という名前の通り、家電の総合展示会だ。にも関わらず、日本の家電メーカーはここ数年、その展示内容をB to B中心へとシフトしつつあり、コンシューマー市場とは距離を置いている印象が強くなっていた。そうした中、シャープは2年ぶりにCESでの展示内容を大きく刷新し、非常に興味深いものとなっている。今回特に力を入れている「Beyond 4K Ultra HD」を中心に、同社のテレビ関連の展示をピックアップしていこう。

2015 International CESのシャープブース

 「Beyond 4K Ultra HD」(以下、Beyond 4K)はその名の通り4Kを超える高精細なパネルを採用した点が特徴で、大型液晶パネル生産を自ら行うシャープならではの強みともいえる製品だ。具体的には「8Kではないものの、それと同等の解像度を持つディスプレイパネルを採用した4Kテレビ」であり、4K信号を入力してもアップコンバートにより通常の4Kテレビより高精細な表示が可能となる。

今回のシャープのCES展示における最大の目玉「Beyond 4K Ultra HD」

「Beyond 4K Ultra HD」は8Kパネルではないものの、4K以上の解像度を持ち、高精細表示が可能。そのため、普通に映像信号を出力するだけで映像に非常に立体感がある

シャープ代表取締役副社長執行役員の水嶋繁光氏(左)。Beyond 4Kに表示した映像のピクセルを虫眼鏡で拡大したところ。これでもピクセルの“アラ”はほとんど目立たないため、遠目では通常の4Kテレビ以上にクリアな映像が楽しめる(右)

 展示会場では4Kテレビ、Beyond 4K、ネイティブ8Kテレビの3種類が一列に並べられ、Beyond 4Kの実力を比較しながら理解できるような配置で紹介されていた。技術に関する詳細は説明されなかったものの、おそらくは通常の8Kパネルよりも安価に製造可能で、「4Kよりは若干高価だが、8Kよりははるかに安価で手頃に高解像度コンテンツを楽しめる」のがセールスポイントになるとみられる。

解像度チャートを表示したところ。Beyond 4Kでは8Kとほぼ同等の分解能を持つため、このようなチャートを表示しても本来であれば4Kではツブれてしまう部分もきれいに表示される

 実際、4Kテレビが今年のCESの中核展示となっていながら、未だ4Kコンテンツを満足に楽しめる環境は整っていない。8Kでは今後しばらくはこうした状況がさらに顕著になると考えられるため、そうした意味での「未来をちょっと先取り」というBeyond 4Kは選択肢として悪くないだろう。

こちらは日本のCEATEC等の展示会でも紹介されているネイティブ8Kディスプレイ。今回のBeyond 4Kのデモでのポイントは、一般的な4Kよりも高精細で、このネイティブ8Kに匹敵する画像出力が可能な点をアピールすることにある

通常の4Kテレビも薄型デザインにリファインされており、動作中は本体下面のLEDライトが床面を照射するといったギミックも採用している

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