ITmedia NEWS >

4K BDプレイヤーやFirefox OS搭載テレビに注目――パナソニックブース2015 CES(1/2 ページ)

» 2015年01月09日 00時30分 公開
[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

 ここ数年、CESにおける展示はB to B中心へとシフトしていたパナソニックだが、今年はコンシューマー製品とB to Bソリューションが共存するという、非常に興味深い展示内容になっていた。特にBlu-ray Disc関連の業界団体であるBDAの中心メンバーの1社である同社では、その最新事情をうかがうことができた。

パナソニックの4Kソリューション関連展示コーナー

 現在、BDの規格はフルHDまでしかカバーしておらず、4Kコンテンツの流通経路が少ない理由の1つにもなっている。BDAでは、今年の夏を目標に4K対応Blu-ray Dicの最終仕様策定を進めており、現段階の仕様をベースにした4K対応BDプレイヤーがパナソニックブースで参考展示されていた。

参考出展の4K BDプレイヤー。実際にディスクが回って映像を再生しており、上のテレビにコンテンツが表示されている。表記から4K BDの正式名は「Ultra HD Blu-ray」になるとみられる(左)。4K BDプレイヤーはHDR(High Dynamic Range)の信号出力をサポートしており、対応テレビと組み合わせてよりコントラストや輝度ピークの高い映像を楽しめる(右)

 ディスクは3層のBDメディアを用いつつ、コーデックにHEVCを採用することで動画圧縮率を従来のさらに倍程度まで向上。単純計算でフルHDの4倍の情報量を持つ4Kコンテンツを多層のディスクメディアに記録するようになっている。この4K BDプレイヤーではHDMI 2.0を用いて4K信号を1本のケーブルで出力できるだけでなく、HDR(High Dynamic Range)にも対応し、非常に高輝度でメリハリのある画像出力が可能になっている。

 ただし、HDR機能のサポートはテレビ側の対応にも依存しており、現在はデモンストレーションで使用されたパナソニック製の最新4Kテレビとの組み合わせでのみ利用可能だという。

Firefox OS搭載テレビに8Kディスプレイも

 パナソニックブースにおけるもう1つの注目は「Firefox OS搭載テレビ」だ。同社がテレビへのFirefox OS採用を表明したのが昨年のCESで、それから1年が経過して、ようやくプロトタイプとして見せられる形になったところ。その特徴はスマートフォンやタブレットにおける「ホーム画面」のような考え方を採用している点で、このホーム画面は映像コンテンツにオーバーレイする形でいつでも呼び出せる。

話題のFirefox OS搭載TVのユーザーインタフェース。アイコン表示でUIが簡略化されており、これで目的のコンテンツや機能にコントローラーを使ってアクセスする

Firefox OS TV最大の特徴は操作画面が通常のTVコンテンツ上にオーバーレイ表示する点

「ホーム画面」と呼ばれるメイン画面は“ピン留め”機能を用いてよく使う機能をカスタマイズ配置可能になっており、目的の機能やコンテンツに素早くアクセスできる

 特定の機能やコンテンツを“ピン留め”でホーム画面に滞留させ、順番をカスタマイズすることも可能。つまり好きな機能やコンテンツをいつでも素早く呼び出すことができる。また通知センターのようなギミックもあり、スマートデバイスの使い勝手をテレビ上で実現したようなスタイルといえそうだ。今後さらにブラッシュアップされると思われるが、テレビのユーザーインタフェースにおける新しい形の1つとして注目されるかもしれない。

コンテンツを検索で探し出したり、あるいは通知サービスのような機能でコンテンツ閲覧中に通知をポップアップさせて、素早くニュースにアクセスしたりと、PCやスマートデバイスに近い操作感覚といえる

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.