インタビュー
» 2015年04月02日 10時53分 UPDATE

だから新製品はポータブル――OPPO Digital Japanに聞いた「HA-2」「PM-3」のコト (1/4)

米OPPO DigitalのDAC内蔵ポータブルヘッドフォンアンプ「HA-2」とポータブルヘッドフォン「PM-3」が発売された。BDプレイヤーで知られる同社がパーソナルオーディオに取り組む理由、そして新製品の使いこなしまで、OPPO Digital Japanのディレクター、島幸太郎氏に詳しい話を聞いた。

[天野透,ITmedia]

 米OPPO Digital(以下、OPPO)のDAC内蔵ポータブルヘッドフォンアンプ「HA-2」とポータブルヘッドフォン「PM-3」が3月20日に発売された。注目度は非常に高く、同社によると初回入荷分は予約で完売。二次出荷分もおそらく出荷前に予約完売するだろうとのことだ。

ts_oppoint02.jpg DAC内蔵ポータブルヘッドフォンアンプ「HA-2」とポータブルヘッドフォン「PM-3」

 このように注目度の高い新製品が登場した経緯について、日本の総代理店であるOPPO Digital Japanでディレクター(プロジェクト執行・販売推進担当)を務めている島幸太郎氏に聞いた。そこには、非常に興味深いバックグラウンドがあった。

OPPOは「ハイコストパフォーマンスなブランド」

 日本でOPPOといえば、事実上のリファレンス機として扱われているユニバーサルプレイヤーが有名だ。ところが同社は2014年春、映像ではなくオーディオの、それもホームオーディオではなくパーソナルユースの「HA-1」「PM-1」を発表して業界をあっと言わせた。はたから見れば大転換ともとれる思い切った展開だが、島氏はその目的について「OPPOというブランドのファンを増やすため」と話している。

 「今までわれわれが扱っていたBDプレイヤーという製品は、特にレコーダー文化が主流の日本では非常にニッチなアイテムでした。製品に初めて触れた方から『OPPOって何?』と尋ねられる(認知度の低い)状況において、ポータブルオーディオはブランド認知という点で非常に適したジャンルだったのです」(島氏)。

 新製品のヘッドフォンアンプ「HA-2」は、外装に本革を使用したり、DSD 11.2MHzという最新のフォーマットに対応したりと、スペックと製品作りの両面で力の入った製品になっている。ヘッドフォンの「PM-3」は、平面磁界駆動という、従来はハイエンド向けとされていた駆動方式を持ち運びできるサイズにまとめ上げた。素材もメタルや本革をふんだんに使った豪華なものだ。

ts_oppoint13.jpg 「HA-2」。本革を使用した外装と金属の質感にも手抜かりはない。「クオリティはヨーロッパのメーカーにも引けをとりません」と島氏は胸を張る

 それにも関わらず、市場予想価格でHA2は3万9000円前後、PM3は5万6000円前後と他社の同スペック品と比較すると明らかに一段安い。かといって、外箱や付属品を簡素にしたわけではない。むしろ意外なほど力が入っている。例えば「HA-2」は、銀箔押しの重厚な箱にiPhone用のLightningケーブルなど豊富な付属品とともに収められている。一方のPM-3にはデニム生地のファッショナブルなケースが付属するなど、購入者の所有欲を満足させるパッケージングだ。こうした部分もOPPOのブランドアイデンティティーであるという。

ts_oppoint11.jpg 「HA-2」のパッケージ

ts_oppoint12.jpg 付属のLightningケーブルはOPPOロゴ入り

 「他のブランドと比べ、製品以外の部分を含めて完璧に作り上げてくるのがOPPOの特長です。HA-2の箱も製品版が決定するまでに何度も作り直しをしました。機材の性能にこだわるメーカーはたくさんあるのですが、OPPOのこだわりは包装や付属品、仕上げといったあらゆる点におよびます。そういった意味において、品質含めたコストパフォーマンスの高さは驚異的ですね」(島氏)。

ts_oppoint03.jpg 「PM-3」とその付属品。はデニム生地のファッショナブルなケースが同梱(どうこん)する

 一方、新製品の開発スピードもOPPOの特長だと島氏は語る。その秘密は、工作機械など試作および製造用の設備を自社内に持っていること。また開発と製造の距離が近くフィードバックも容易で、製品の発売直前まで仕様を追い込むことができる。事実、HA-2では製品発表の2週間前まで開発作業を行っていたという。

 「OPPOはこうと決めたら速やかに行動するメーカーです。今回のポータブル製品の企画も、通常他社が行うより短い期間で企画され、発表されました。市場的な感覚では今回の新製品が突然出てきたように感じるでしょうが、それも今までBDプレイヤーで築き上げた確かな基盤があってこそのものです」(島氏)。

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