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ポータブルオーディオのトレンドを先取り――「ポタフェスLimited 2015 札幌」に行ってきた(1/2 ページ)

» 2015年05月13日 21時58分 公開
[天野透ITmedia]
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 北の大地にも春が訪れた5月10日の日曜日、「札幌コンベンションセンター」で「ポータブルオーディオフェスティバル(ポタフェス) Limited 2015 札幌」が開催された。今年3月の名古屋からスタートした「ポタフェスLimited」シリーズも、今回の札幌で6会場目。当日は国内外から70を超えるオーディオブランドが北の都へ集結し、北海道のオーディオファンに最新のトレンドを紹介した。

「札幌コンベンションセンター」の様子

限定ヘッドフォンにハイレゾプレイヤー、東京未上陸のニューカマーが並ぶ

 今回の「ポタフェスLimited」では、ツアー中に新製品が各社から発表され、展示試聴機として随時ユーザーの前に現れているのが大きな特徴だ。今回の札幌会場でも、中国COZOYブランドを取り扱うオヤイデブースには数日前に発表されたばかりの「Astrapi」が早速登場。札幌のユーザーは、どこよりも早く新製品に触れられることになった。

わずか10グラムという小型軽量のDAC「Astrapi」。PCにもスマホにも利用できて、手軽に音質のグレードアップを図れる

 「Astrapi」は、USBメモリーサイズの超小型軽量DAC。付属のLightningーmicroUSB変換ケーブルを用いれば、iOS機での使用も可能だ。対応フォーマットこそ44.1kHz/16bitだが、小柳出電気商会の山能博之氏によると「ダウンコンバートチップが内蔵されているため、ハイレゾ音源もそのまま再生できる」(出力は44.1kHz/16bit)と説明していた。実際に試聴した参加者の中からは、サイズから想像できない音に驚く声も聞かれた。

 また今月末に発売予定のFiio「X3 2nd generation」も展示されていた。2013年秋に発売された「X3」をブラッシュアップした2nd generationは、新たにDSD 5.6MHzのネイティブ再生に対応しながら実売想定価格で3万4000円(税別)に抑えた。

DSD 5.6MHzにも対応する「X3 2nd generation」。コストパフォーマンスの高さが魅力

 「多くの方に高品質なプレイヤーを多くの方に利用してもらうため、価格を抑えつつ内部パーツには拘りました」(山能氏)。DACチップはシーラスロジックのトップグレード「CS4398」を採用するなど、競合製品に負けない品質を確保しているという。

KOTOKOさんが監修した特別デザインのヘッドフォン

 アニメシーンで活躍するシンガーソングライターのKOTOKOさんが監修した特別デザインのヘッドフォン「KOTO<KO RI」や、一週間前の仙台で初お目見えした「AK jr」、新たなハイレゾアプリとして注目を集めている「Ne Player」なども札幌に登場した。

 FOSTEXの「KOTORI」をベースにした「KOTO<KO RI」は、「Type.α」と「Type.β」の2種類のデザインが用意されており、いずれもKOTOKOさん自身がデザイン監修を行っている。eイヤホンが独占販売をする完全受注生産の限定モデルで、仙台会場ではチラシのみでの告知だったが、札幌ではどちらのモデルも実機が用意されていた。どちらのモデルも実機は会場にある1本だけで、βは開場前に不具合が出てしまうというトラブルに見舞われたが、何とか札幌会場で体験してもらえるように対処していたという。

「KOTO<KO RI」はKOTOKOさんが監修したオリジナルデザイン。追加生産はないとのこと。「Type.α」と「Type.β」の2種類があり、どちらも楽曲同様のポップさ全開だ

 「AK jr」は、ハイレゾ対応ポータブルプレイヤーのパイオニア的存在であるAstell & Kernの普及機として期待されるモデルだが、こちらもやはりポタフェスLimitedでお披露目された。また音源の再生状況が表示される「Ne Player」の初登場はツアー2カ所目の広島だった。Astell & Kernブースでは「東京よりも先に展示したので、新しいもの好きな東京のお客さんが悔しがる声が聞こえてきそうです」という苦笑交じりのコメントも。一方でNeブランドを扱うradiusブースでは「せっかくイベントをやるのですから、多くの人に新しいものを体験してもらいたいです。これは東京でも地方でも変わりませんね」と話していた。

Astell & Kernの新製品「AK jr」。スリムな外観だが、持ってみるとズシリとした金属の重みと質感を感じる

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