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» 2016年04月28日 22時47分 UPDATE

滝田勝紀の「白物家電、スゴイ技術」:街が変わる、家も変える――IoTを活用するLED照明の可能性 (1/3)

3月にドイツのフランクフルトで開催された照明と住宅設備の展示会「Light+Building」では、最先端のLED照明を見ることができた。今回は最も大きなブースを構えていたフィリップスを例に、IoTを活用した最先端の照明の世界をのぞいてみよう。

[滝田勝紀,ITmedia]

 3月にドイツのフランクフルトで開催された照明と住宅設備の展示会「Light+Building」。そこでもっとも大きなブースを構えていたのがフィリップスだ。日本国内ではヘルスケア系のアイテムで知られている同社だが、実は世界シェアNo.1のライティングメーカーでもある。今回はそんなフィリップスの照明部門であるフィリップス ライティングが展示していた最先端のLED照明を紹介しよう。

フランクフルトで開催された照明と住宅設備の展示会「Light+Building」

街全体を効率化するスマートシティ

 スマートシティとは、ITや環境の先端技術を駆使して街全体のエネルギー有効利用を図るなど、省エネ化を徹底した環境配慮型都市の総称である。スマートシティを実現するためには、町中に必要な情報を収集するためのセンサーや端末のネットワークを張り巡らせる必要がある。

 フィリップスは、LEDの街路灯を端末にしてスマートシティを実現しようとしている。それがフィリップス「CityTouch街路照明管理システム」(以下CityTouch)。各種センサーおよびワイヤレス機能の拡張スロットを搭載したLED街路照明を街中に配置して大幅な省エネ化とコスト削減を目指している。

 CityTouchは、既に世界33カ国530件の導入実績がある。それを強化するため、今回ボーダフォンと新たなグローバルパートナーシップを締結。ボーダフォンが誇る世界屈指のM2M(Machine to Machine)ネットワークを利用するため、個々の街路照明にボーダフォンのM2M向けSIMカードを搭載した。これにより、例えば街全体を管轄する担当者はリアルタイムで照明の稼働状況を監視すると同時に、管理することができる。また、エンジニアは遠隔地からパフォーマンスのチェックや障害の特定、照明をスムーズにコントロールできるという。

町中の照明を管理できる

 実際の導入事例として、イタリアのチッタ・サンタンジェロという村が挙げられる。熟練した職人が多く住み、小規模ながらも活気に満ちた村だが、イタリア政府とCEIEPower(イタリア国内の電力会社)とのコラボレーションにより、数千個もの電球を使用していた街路灯をすべてCityTouch対応のフィリップスLED街灯に交換した。これにより、町のエネルギーコストは76%も削減できたという。

 さらに会場では、各種センサーとワイヤレス機能(拡張スロットで対応)を搭載したLED街路照明「フィリップス DigiStreet」(以下DigiStreet)も発表された。これによりネットワーク環境が未整備の都市でも徐々に街路照明のネットワーク化を進めることができる。

「フィリップス DigiStreet」

 フィリップス ライティングのビジネスプロフェッショナルシステム部門で公共部門担当リーダーを務めるヴァサンス・フィロミン氏は、「現在、世界中でLED照明への切り替えが進んでいます。しかし、予算の関係もあってすべての自治体が最初からすべて“コネクテッド照明”に移行できるわけではありません。DigiStreetなら、最初に省エネLED照明のみを、さらに必要に応じて拡張することができます」と語っている。

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