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名古屋で深化するヘッドフォンカルチャーを見た――“フルサイズ”で帰ってきた「ポタフェス名古屋」「ガラスの盾」って?(1/2 ページ)

» 2016年05月30日 13時55分 公開
[天野透ITmedia]

 5月最後の週末に、イヤフォン/ヘッドフォン関連の大型展示会「第8回ポータブルオーディオフェスティバル2016 in名古屋」(通称:ポタフェス)が名古屋で開催され、東海地区を中心に多くの熱心なオーディオファンが会場へ訪れた。

会場の「ナディアパーク」。昨年の雑居ビルから一転、名古屋の中心街である栄に位置する複合施設で、「LOFT」などのテナントが入居する。近くには有名ファッションブランドやアップルストア、ソニーストアなどが軒を連ねる、東海エリア屈指のオシャレスポットだ

 名古屋でのポタフェスは昨年3月に引き続いて2度目の開催だが、昨年の会場だった名古屋駅近くの「桑名ビル」から今年は中心街の栄に位置する複合施設「ナディアパーク」へ移動し、出店者数は4割増し、展示面積は倍増と一気に規模が拡大した。そのような大規模化が示す通り、昨年のタイトルにあった「Limited」の表記が今年は消え、「第8回」の正式ナンバリングが割り振られている。

出展ブランドは111と4割増しだったが、昨年と比べて床面積が倍増したため、ブースや通路はかなりゆとりがあった。次回以降も開催されるなら、関東では混み合ってゆっくりと視聴できなかった新モデルを狙って遠征するのも良いかもしれない

名古屋ではカスタムIEMが人気?

 e☆イヤホンが昨年10月に大須地区へ新規店舗を出店し、そこで常時カスタムIEMのオーダーが可能になったからだろうか。昨年3月と比較すると、今回の会場では当たり前のようにカスタムIEMを下げている参加者が見られた。

 プレーヤーやDACなどを“多段積み”にして持ち歩く参加者もあちこちで見られ、話を聞いた人の中には日本未発売のアイテムを個人輸入したというツワモノも散見された。こういった状況を示すかのように、人気の展示はハイエンドモデルに集まり、特にカスタムIEMを取り扱うブランドが固まった一角は常に人だかりができていた。

ブースの人気度はカスタムIEMブランドが高く、カナルワークスなどは試聴の行列ができていた。会場にはそこかしこにカスタムIEMをぶら下げた参加者が見られ、東海エリアにおけるIEMの注目度の高さが分かる

 参加者の幅広さも健在だ。昨年は三重県や静岡県からの遠征組もいたポタフェス名古屋だったが、今年は金沢から来たという方に話を聞くことができた。常設店舗ではなかなか体験できない貴重なモデルや参考出展を試聴するのはもちろんのこと、出展者のスタッフと製品や業界動向などについて直接やり取りができるのがイベントの大きな魅力だ。金沢からの参加者も、そういった部分を楽しみにやって来たらしく、ブースの展示品を挟んで出展社とオーディオ談義を楽しんでいた。こういった光景は秋葉原や中野でのイベントと全く同じもの。単なる製品の販売にとどまらないヘッドフォンカルチャーが、東海エリアでもしっかり根付いていた。

取材中に出会った金沢からの参加者のお目当てはこの人、お馴染みAVライターの野村ケンジ氏。トップウイングブースで参考展示されていたAROMAのWitch Girlシリーズを上手く鳴らすのに苦心していたが、どうやらリケーブルで解決した模様。余談だが須山歯研の須山慶太氏もプライベートで来場していた
会場がe☆イヤホンの名古屋大須店に近いということもあり、シャトルバス(ワゴン)が用意されていた
店舗では協賛セールや特別イベントを行っていたほか、諸事情で会場に「入れなかった」3つのブースがイベントスペースへ出張していた

「新品よりもピカピカに」 e☆イヤホンの新提案

 そんなヘッドフォンカルチャーをもう一段深化させる新サービスが、今回のポタフェス名古屋でお目見えした。シリコン系溶剤を用いてヘッドフォンやポータブルプレーヤーにガラスコーティングを施す「eSiq」(エシック)である。

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