NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルの3社が4月1日に入社式を行い、各社のトップが新入社員にメッセージを送った。2015年春の新入社員数は、ドコモが264人、KDDIが286人、ソフトバンクグループが561人。2014年に比べ、ドコモは98人減、KDDIは32人増、ソフトバンクは117人減となった。
情報通信産業の真ん中で、夢と使命を持って頑張ってほしい――ドコモ 加藤社長
ドコモの加藤薫社長は、「厳しくも夢のある業界へようこそ」と新入社員を迎え入れ、「情報通信産業はこれからの社会や生活を変革していく中心的な分野であり、ドコモグループは業界のど真ん中にいる」と自負を語った。Google、Apple、Amazon、Facebook、LINEなど多くのOTTプレーヤーがモバイルサービスで存在感を大きくしている中、ドコモも常に進化を続けていく考えだ。
加藤社長は新入社員に3つの事柄を説明する。1つ目は、「ドコモグループは夢と使命の会社である」こと。「人と人をつなぐ通信を確保する」という使命と、「新しいコミュニケーション文化の世界の創造」という夢を掲げ、2020年の東京オリンピックに向けてインフラ・サービス共に取り組みを進めていく。
2つ目は「スピード&チャレンジ」。グローバル市場で戦えるスピードを持って、熱い心でチャレンジしてほしいと熱いメッセージを送った。3つ目は「個性を大事にする」こと。「いろいろな人と交わり、コミュニケーションを通じて相手を理解し、自分を理解し、しっかりとした色を作っていただければと考えている」と激励した。
お客様を第一に考え、会社も個人も成長してほしい──KDDI 田中社長
KDDIの田中孝司社長は、2015年は日本の電気通信事業に競争政策が導入されてから30年の節目の年であり、ネットワーク、端末、サービス、料金などで他社と大きく違いを出すのが難しい市場の同質化が進んでいることを強調した。MVNOなどの動きが出てくる中で、スピード感を持ってお客様に新しい提案をしていくことが大事だと述べ、「覚えてほしい3つのこと」として、同社の企業理念とフィロソフィー(思想)について説明した。
KDDIの企業理念は、「全従業員の物心両面の幸せを追求すると同時に、お客さまの期待を超える感動をお届けすることにより、豊かなコミュニケーション社会の発展に貢献する」こと。それを踏まえた上で、「お客様を第一に考えて実行する」「仕事のやり方を身に付けて個人個人が成長する」ということの大切さを説いた。これらの考えは全役員・全社員が共有する行動基準・規範であり、企業としての土台になるものだと強調する。
これらを社員一丸となって実践することで会社だけでなく個人としても成長してほしいという願いが込められている。KDDIはミャンマー事業など、グローバルな取り組みにも積極的で、今後も前向きに新たな取り組みをしていく方針だ。
情報革命で人々を幸せにするために世界をリード──ソフトバンク孫会長
4月1日をもってソフトバンクBB、ソフトバンクテレコム、ワイモバイルと合併したソフトバンクモバイル。孫正義代表取締役会長は、「皆さんはこの時期を大切にして、挑戦し続けてもらいたい。仕事は一生涯挑戦する重要なメインテーマになるはずです。難しい物事に対して、元気にさわやかに精いっぱい挑戦してください」と新入社員にエールを送った。
また、孫会長は「人類の歴史の中で、農業革命、産業革命、情報革命という3つの大きな革命があり、まさに今情報革命が世界中で起き始めています」と話し、「いつかコンピューターの知的能力が人間を超えるシンギュラリティ(技術的特異点)の日が必ず来ます。その日を迎えた時、人類はコンピューターとどう触れ合えばいいのかということをしっかり考えてほしい」と強調した。
「我々は人々が幸せになるために情報革命をリードしていき、正しく、明るく、元気に世界中の人々に貢献していきたい」と続け、情報革命の先駆者として世界市場をさまざまな角度からリードしていく上で、「新入社員にその中核の人材になってもらいたい」と期待を寄せた。
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