Lenovo、Motorolaブランドで日本参入間近?――「Lenovo Tech World」プレイベント:ロゴも一新
Lenovoが北京でメディア説明会を開催。PC、タブレット、エンタープライズほか、傘下となったMotorolaを含む、モバイル事業、そして日本市場に対する考えなどが語られた。
Lenovoは28日に中国・北京で開催する、同社初のグローバルイベント「Lenovo Tech World」に先駆けて、メディア説明会を開催。PC、タブレット、エンタープライズほか、傘下となったMotorolaを含む、モバイル事業についても詳しい説明が行われた。また説明会後には、レノボ・ジャパンの留目真伸代表取締役社長、およびレノボ・ジャパン前社長でアジア・パシフィック担当プレジデントのロードリック・ラピン氏がグループインタビューに応じ、日本におけるモバイル事業の今後について語った。
スマートフォンのシェアは世界3位に
メディア説明会にはロードリック・ラピン氏ほか、数名の幹部が登壇。モバイル事業については、Motorolaを買収したことで、スマートフォンのマーケットシェアがApple、Samsungに続く世界第3位となったこと、2014年のスマートフォンの出荷実績は約7600万台で、すでに端末の販売数ではPCを上回る規模となっていることなどが紹介された。「プレミアムのMotorola、エントリーのLenovoという2つのブランドによって、グローバルなモバイルマーケットを強力にカバーできている」とラピン氏。またモバイルビジネス事業幹部のディロン・イエ氏のプレゼンテーションでは、両ブランドの国ごとのカバレッジを示す世界地図も公開された。
イエ氏によれば現在、Lenovoブランドのスマートフォンが販売されている国は67カ国、Motorolaブランドのスマートフォンが販売されている国は42カ国にのぼる。うち中国やタイ、インド、インドネシアなど12カ国では、両ブランドがともに展開されているという。なお日本はこの地図では、Motorolaを販売する国に分類されていた。
日本でのモバイル事業も注力していく必要がある
説明会後、グループインタビューに応じた留目氏は、日本では2014年に「Nexus 6」が発売されたことから、Motorolaブランドを展開している国に分類されることを説明。ご存じのように「Nexus」シリーズは、最新のAndroid OSをいち早く搭載するGoogleの戦略的リード端末だ。「Nexus 6」もOEM提供のためあまり目立ってはいないが、今日本で発売されているスマートフォンでは唯一のMotorola製品となっている。
一方、日本では今、MVNOによる低価格SIMサービスの盛り上がりを受けて、手頃な価格で購入できるSIMロックフリースマートフォンへのニーズが高まっている。この新しい市場では、ASUSなどスマートフォン新規参入メーカーの製品がヒット商品となっていて、同様にLenovoブランドのスマートフォンに期待する声も多い。同社は今後日本で、LenovoとMotorolaという2つのブランドのスマートフォンを、どのように展開していくのか。
グループインタビューで留目氏は、日本でのモバイル事業について「具体的なプランとして、今話せることはない」としながらも、「スマートフォン、タブレット、PC、エンタープライズと全部やっていることがLenovoの強味。グローバルと同様に日本においても、スマートフォンには今後、当然注力していかなければならない」との方針を明らかにした。
日本市場はMotorolaブランドが合う?
ロードリック・ラピン氏は、さらに踏み込んで「短期的には、日本市場にはMotorolaブランドがいいのではないか」との見解を示した。「日本市場ではスマートフォンの60〜70%が500〜700ドルの高額スマートフォンになってしまっているが、『Moto E』や『Moto G』といった製品は比較的手頃。日本でも可能性はある」とラピン氏。アジア・パシフィックの成熟市場には、Motorolaブランドのスマートフォンを投入していく考え。中でもオンラインでデザインをカスタムできる「MotoMaker」が好評の「MotoX」については、「日本にベストなプロダクトだと思う」と話した。
一方、留目氏はインタビューの中で、「スマートフォンも今後はハードだけでは差別化が難しい。ハード、アプリ、サービスが3つ一体になった形を目指す」と、新たなエコシステム構築に向けても意欲を見せる。PCビジネスだけなく、モバイルからエンタープライズ、さらにはその先のサービスまでをカバーする総合デジタルベンダーへの新たな決意表明として、Lenovoは同日、ロゴを一新することも発表した。
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