【MM総研調べ】ガラケーよりもMVNOの方がお得!?:SIM通
MM総研は、大手キャリアとMVNOユーザの利用実態を調査し発表した。月額利用料金では、ガラケーよりもMVNOの方が出費を抑えられていた。
MM総研は、ユーザ調査を基に、大手キャリアのフィーチャーフォン・スマホの利用者、MVNO SIMカードの月額利用料金、音声通話・データ通信サービスの利用実態について発表しました。
端末料金を抜いた月額利用料金について見ると、キャリア契約の場合、スマホユーザが6,283円だったのに対しガラケー利用者は3,260円と約半額であることがわかりました。
一方でMVNOの平均利用料金は音声通話対応で2,072円、音声通話非対応は1,522円と、ガラケー利用者の料金と比較しても約1/2から2/3程度の出費に抑えられています。「スマホはなんとなく高い」というイメージを持っている方はまだまだ多いですが、ランニングコストベースでの実態を見る限り、MVNOであれば現在の出費よりお得にスマホが持てることを示していると言えます。
MVNOに向いているユーザはガラケー利用者にこそ多い!?
では利用実態はどのようになっているのでしょうか。上の表は1週間の通話時間を表したものです。よく「通話メインならガラケーが良い」という話はでてきますが、実態としては、スマホユーザーのほうがガラケー利用者よりも通話時間が長いということがわかりました。
これはキャリアでの新規契約が「話し放題プラン」が前提になっている影響があるのではないでしょうか。事実、MM総研が今回行った調査のなかで、新料金プラン利用率はガラケーが7.2%だったのに対し、スマホは30.6%と大きな開きがありました。
一方でMVNOの場合、最近では無料通話プランが出てきたものの、全体としてはまだまだ少なく、また「通話はほぼしない」といった方が利用層に多いためか、極端に低い数値となっています。
続いて、キャリア契約者のデータ使用量について見ると、全体の約54%が3GB以下になっており、次いで5GBと7GBのデータ量を利用している人が多くなっています。自分のデータプランを目一杯使っている人もいれば、殆ど使わずにいるという人まで様々ではないでしょうか。
なお、このデータの使用量に関して、MM総研は各キャリアのデータ通信料を確認できるサイトを案内して前月のデータ通信量を質問し、「わからない」「ゼロ」「30GBより大」を除いたもので、平均データ通信量は4.31GBで中央値は3GBだったとのこと。
一方でMVNO利用者については現在契約している通信容量に質問をしたところ、最も多いプランが「月間3GB以下」が63.1%と最も多く、次いで「デイリープラン(110MB/日など)」9.8%、「月間5GB以下(3GB超)」9.4%となったそうです。キャリア契約と同じく3GB以下に収まるユーザが最も多いことがわかりました。
最後に、1日のデータ通信利用時間とその内容についてです。各利用時間は、キャリア契約のガラケー 67.8分、スマホ 179.2分で、MVNOは155.2分でした。その利用用途はウェブ・ニュースの閲覧や地図アプリを利用した「情報収集」、ゲーム・動画・電子書籍などの「エンタメ」コンテンツ利用、メールやSNSを利用した「コミュニケーション」、テザリングなどの「その他」の順番になっており、利用形態が違っても使いみちに変化はほぼない事がわかります。
料金で一歩先を行くMVNOですが、利用者数が少ないのも実態です。しかし、今回の調査で、料金はガラケーよりも安く、キャリアスマホとほとんど変わらない使い方ができるものである、ということが改めて証明されたのではないかと思います。
キャリア契約、MVNO契約ともに一長一短あるため、どちらが良いかというのは一言では言い表せません。しかし、自分や家族の契約プラン内容と実際の利用実態を把握した上で、改めて自分事としてどちらが合っているのかを考えてみる時期に来たのかもしれませんね。
■ MM総研 / スマートフォン・MVNOの月額利用料とサービス利用実態(2015年12月)
(文:SIM通編集部)
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