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» 2004年02月17日 19時54分 UPDATE

ハードウェアMPEG-4エンコードに対応したPCIカードNEXXより発表

MPEG-2ファイルをハードウェアエンコードによってMPEG-4に変換する初のPCIカードが発表された。今まで一晩かかっていた映画のMPEG-4変換がハードウェアエンコードによってほぼ2時間で終了する。

[長浜和也,ITmedia]

 動画データをMPEG-2で保存してMPEG-4に変換する処理は、動画フリークの間でごく普通に行われてきた作業。しかし、最近ではビデオデッキPCとAVサーバの登場で「動画フリーク」ユーザー以外でも、ストリーミングデータへの変換が頻繁に行われるようになってきた。

 ビデオデッキPCユーザーの場合、テレビ番組や映画を録画する機会が多くなるが、60分なり120分なりの保存データをMPEG-2からMPEG-4に変換する場合、PCのパフォーマンスによっては、「寝る前に処理を実行して朝起きることに終了している」というように、処理に多大な時間が必要になる。

 いままでMPEG-4形式の保存作業は、ソフトウェアエンコードで行わなければならず、その処理時間はPC側のパフォーマンスに大きく依存する状況にあった。リアルタイムエンコードに近いパフォーマンスを求める場合、Pentium 4/3.06GHz+メモリ容量1GバイトといったミドルエンドクラスのPCでも解像度320×240ドット、ビットレート700Kbpsが限界となる。

 AVサーバが登場して、家庭内でもメディアサーバからネットワーク経由で動画データを再生する機会が増えるにつれて、動画の保存にMPEG-4を選択するユーザーが多くなってきた。しかし、ごく普通のホームユーザーにとって、この変換にかかる時間はストリーミングデータが前提となるAVサーバの利用に大きなハードルとなっていた。

 NEXXが2月17日に発表した「NXCD-750」は、コンシューマー向けPCパーツとしては初めてハードウェアによるMPEG-4エンコードをサポートしたPCIカード。出荷開始は3月下旬からで実売予想価格は1万7800円。PC側のパフォーマンスに関係なく、MPEG-2データの記録時間と同程度の時間で、MPEG-4へのエンコードを実行できる。

kn_nex750.jpg NXCD-750。基板はシンプルな構成でブラケットにも入出力の端子は用意されていない。基板の面積は120×64ミリでロープロファイルにも対応する

 NEXXが公開したデータによると、解像度720×480ドット、ビットレート6.8Mbps、記録時間4分4秒のMPEG-2データに対して、出力ビットレート700Kbps(そのほかの条件は基データと同じ)で4分10秒、2Mbpsで4分13秒と短時間でエンコード処理を行っている。

 ちなみに同じデータをDr.DivX1.0.3でエンコードした場合、Pentium 4/3.06GHz+メモリ容量1GバイトのPCで出力ビットレート700Kbpsの場合7分35秒、2Mbpsの場合8分41秒かかっている。

 NXCD-750のエンコード処理はCPUにCeleron 2.4GHz、メモリ容量384Mバイトを搭載したPCで行ったときのデータ。バリュークラスのPCでもミドルクラスPCより高速でMPEG-4エンコード処理が行えるわけで、非常にコストパフォーマンスが高いアップグレードパーツといえるだろう。

 「700Kbpsのエンコード時間と2Mbpsのエンコード時間は誤差範囲。ビットレートが上がってもエンコード時間に影響しない。スペック的には8Mbpsまでこの処理時間で対応できる」(NEXX 取締役 加藤千秋氏)

kn_nexpfr.jpg NEXXが行ったMPEG-4へのエンコード処理時間の比較。NXCD-750はCPUがCeleron/2.4GHzにメモリ容量384Mバイト。System AはCPUがPentium 4/3.06GHzにメモリ容量1Gバイト。System BはCPUがPentium 3/1.06GHzにメモリ容量512Mバイトの環境でそれぞれエンコードを行った結果

 NXCD-750には、DivXのハードウェアエンコード用チップとしてVWEB社の「VW2010」が実装されている。VW2010はMPEG-1/2/4(MPEG-4はSimple Profile Levell-3 FullD1拡張サポート)のエンコードとデコードと行うチップ。VW2010に入力されたMPEG-2データは、そのままチップ内部でMPEG-4にエンコードして出力される。

 NXCD-750にはトランスコード用の専用ソフトウェアが同梱されるが、その処理手順はエンコードするファイルを選択し、出力ファイルを指定するもの。そのほかにビットレートや解像度なども設定可能になっている。

 ソフトウェアの仕様上、すでに保存されているMPEG-2ファイルを指定しなければならないため、NXCD-750で扱えるのは「すでに保存されているMPEG-2データ」に限られる。「MPEG-2でキャプチャーしながら、リアルタイムでMPEG-4にエンコードする」といった処理には対応していない。

 VW2010自身は入力されたMPEG-2を逐次MPEG-4に変換しているだけなので、チップのスペック的にはキャプチャーしながらそのままMPEG-4へ変換することも可能になっている。ソフトウェアが対応すれば「リアルタイムのMPEG-4エンコード」はすぐにできると思われるが、「その対応は将来の製品で実現するべく現在開発中」(加藤氏)

 NEXXからはNXCD-750のほかに、ビデオエンドポイント「NVEP-700T」とネットワークDVDプレーヤー「NDVP-730H」が同日発表された。ともに出荷開始は3月中旬の予定で、実売予定価格はNVEP-700Tが2万2800円、NDVP-730Hが2万9800円。

 ビデオエンドポイントのNVEP-700Tは、ネットワークインタフェースとして10/100BASE-Tを実装し、ネットワークを介して供給されるストリーミングコンテンツを再生する端末として開発されたもの。本体にUSB1.1やPCカードスロットを備え、外部ストレージに保存したコンテンツデータも再生できるのが特徴となっている。

kn_nex700t.jpg ビデオエンドポイント「NVEP-700T」
kn_nex730h.jpg ネットワークDVDプレーヤー「NDVP-730H」。ネットワークDVDプレーヤーのNDVP-730Hは、NVEP-700TにDVDプレーヤーを内蔵したもの。ただし、DVD専用プレーヤーと異なり、PCで記録したデータも(オーサリングすることなく)再生できる
kn_nex700tsw.jpg NVEP-700Tで動作するプレーヤーソフト。もともと台湾で生産されていた製品を日本向けにローカライズしている

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