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日立、360度リアルタイム表示可能な立体表示技術を開発

» 2004年02月24日 16時46分 公開
[ITmedia]

 日立製作所は2月24日、空中に浮かんだ立体映像を360度どこからでも見ることができるディスプレイ技術を開発したと発表した。従来のホログラフィと異なり、実写映像をリアルタイムに表示することができるのが特徴。遠隔地からプレゼンテーションを行うなど、幅広い分野での活用が期待できるとしている。

photo R2-D2の例のシーンを思い出す

 従来のホログラフィでは、立体映像を再生するための干渉縞(ホログラム)を作成するプロセスが必要となり、実写映像をリアルタイム表示することはできない。

 新技術は日立基礎研究所のヒューマンインタラクションラボが開発した。空中に浮かんだリアルタイム立体映像を、視聴者が360度回り込んでどこからでも見ることができる。複数の方向から被写体を撮影し、その映像を特殊処理した回転スクリーンに同時に投影し、立体表示する仕組みだ。

 円筒形のディスプレイ「Transpost」も試作した。24方向から撮影した映像を、台座に組み込んだ液晶プロジェクタで天板の鏡に投影。反射した映像を回転スクリーンの周囲の鏡に投影し、この反射映像を回転スクリーンに投影することで立体表示できる。24方向からの映像を自動生成する専用撮影システムも開発し、リアルタイム実写表示が可能になった。

 CGから実写まで、静止画・動画ともフルカラー表示が可能だ。試作品を遠隔地で同時に検討するといったビジネス用途からエンターテイメント用途まで多彩な用途への応用を目指す。

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