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海賊版販売で実刑判決、著作権法違反ではまれな厳刑に

» 2004年03月30日 15時50分 公開
[ITmedia]

 コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)の発表によると、ネット上でビジネスソフトなどの海賊版を販売していた著作権法違反の罪で起訴された被告の男2人に対する判決公判が3月29日あり、神戸地裁尼崎支部は2人に実刑判決を言い渡した。ACCSによると、著作権法違反での実刑判決はほとんど例がないという。

 2人は2002年11月ごろから、海賊版ソフトの販売を宣伝するWebサイトを作成。自ら海賊版を販売したほか、「販売代理店」を募集し、代理店応募者に販売と代金受け取りを担当させ、売り上げを一部を受け取っていた。2人を含む販売グループは2003年12月までに兵庫県警に摘発された(関連記事を参照)。

 検察は大阪府枚方市の美術商の男に懲役3年、兵庫県尼崎市の健康食品販売業の男に懲役3年6カ月を求刑。美術商の男は著作権法違反で懲役2年、健康食品販売業の男は同法違反と組織犯罪防止法違反で懲役2年2カ月の判決を言い渡された。

 ACCSによると、著作権法違反による実刑判決は過去ほとんど例がない上、著作権法に定められた罰則の上限である懲役3年の求刑や実際の判決もこれまでになく重いものだとしている。

 2003年度の文化審議会著作権分科会では、罰則強化として懲役刑の上限を5年に引き上げる意見をまとめている。

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