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» 2004年04月30日 15時50分 UPDATE

クイズで販促――“PR界の異端児”に聞くアクセスアップ法

日本に1人しかいないという「クイズプロデューサー」弘中勝氏に、クイズで商品をPRする技術や、Webサイトのアクセス数をアップさせる方法を聞いた。

[岡田有花,ITmedia]

 「クイズで企業や商品を強力にPRできる」――そう主張するのは、ECサイトの販促用クイズを作成する「クイズプロデューサー」の弘中勝氏。クイズ企画会社ウィンビットの社長でもある。

 販促用のクイズに多いのは、商品名の一部を隠したり、商品の特徴を答えさせるもの。しかし「そんなクイズでは顧客を逃がしてしまう」と弘中社長は話す。

 例えば、小さいことが特徴のまんじゅうを売っている店がクイズ企画をするとしよう。よくあるのは「当店のまんじゅうは特徴があります。それは何でしょう?(答え:小ささ)」などと、アピールポイントをダイレクトに答えさせるもの。正解ならば「やった!」という喜びが、不正解なら悔しさばかりが残り、一番アピールしたい「小ささ」が印象付かないため、こういったクイズは最悪だと弘中社長は言う。

 では、商品の特徴が印象づくクイズとはどんなものだろうか。弘中社長によると、出題者が回答者と“対話”しながら、「次を知りたい」と思わせるクイズが効果的。例えばこんなクイズだ。

 まず第1問。「日本で最も面積の大きい都道府県はどこでしょう」。簡単なクイズに知識欲を刺激された回答者、「北海道」と答えて正解したことに喜ぶ。次にすかさず第2問。「日本で最も面積の大きい市はどこでしょう」。回答者は「えっ、どこだろうか?」と考え、答えを知りたいと思う。正解は静岡県静岡市。回答者は「へぇ」と感心しながら解説文を読むだろう。その解説文にアピールポイントを盛り込むのだ。「当店はその静岡の中でも最も小さな饅頭を売っています」。

 大きいものばかり考えてきた知識の流れに、小さいものが突然入ってきてインパクトが上がる。回答者は今後、「北海道」や「日本一大きい」といった単語を目にしたときにもこの饅頭も思い出すかもしれない。

 回答者の知識欲を刺激しながら「次を知りたい」と思わせて、自然に商品の特徴が頭に入るクイズを作ることが、弘中社長の「クイジング」=クイズ制作技術だ。

yu_winbit.jpg クイズサイト「キューブキューブ」のキャラクター「キュウキュウくん」のぬいるぐみを抱いた弘中社長。「アンケート付きクイズのページにキャラクターの画像を置くと、アンケート回答率が飛躍的に上がります。皆、キャラクターに話しかけようと、聞いてもいないことまで書き込んでくれるんですよ」と明かす

クイズでPRできる理由

 「もっと知りたい」と思わせて知識の流れを作り、「へぇ」と感心させるクイズ。これがPRに結びつくと考え始めたきっかけは、自分が作ったクイズサイトが、宣伝もしないのに自然と有名になったことだった。

 経営学を専攻していた大学生時代、専門用語がさっぱり頭に入らなかったので、クイズにすることで理解を深めようとした。経営学を分かった範囲でクイズ化し、仙人様がイヌやネコに出題するというストーリー仕立てにしてWebサイトにアップ。このサイトが次々と雑誌や書籍に取り上げられ、「全国の学生から経営学に関する質問メールが来たり、大学の教材に採用されたりしました」(弘中社長)。

 テキストベースの地味なページ。アクセス数を増やすことには興味がなく、宣伝もしていない。ただ、クイズ形式で楽しく学べるというだけで有名になり、自然とアクセスが集まった。クイズで知識欲を喚起しながら分かりやすくものごとを伝えれば、企業サイトのアクセスアップやECサイトの商品PRもできるかもしれないと考え始めたのはこのころだ。

 クイズプロデューサーという「日本唯一」の職業を選んだのは、大学を卒業して会社員を経験した後。会社員時代には、趣味で作っていた就職活動体験記のサイトも有名になった。就活中に出会った変な言動をする学生や、おかしな人事担当者をけなしまくっていたというこのサイト、毒舌が好評で口コミでアクセスを伸ばし、マスコミにも取り上げられた。商用の就職サイト「パフの就職応援ページ」を運営するパフの社長の目にもとまり、同サイト上での就職コラム執筆まで依頼された。「人と違うことをしていれば、黙っていても有名になれる」と、この時実感した。

 2003年3月、ふと「社長になってみたい」と思い、ウィンビットを設立。儲からなくてもいいから他の誰もがやらないことをしようとクイズの制作事業を始めた。顧客はクイズ企画で自社をPRしたいECサイトのオーナーや、コンサルタント、弁護士など個人事業主。自社の宣伝はほとんどしていないが、「クイズプロデューサー」という前代未聞の肩書きに惹かれて口コミで客が集まる。収益はまだまだ微々たるものだが、問い合わせの数は順調に増えているほか、クイズ販促本の執筆依頼を複数の出版社から受けるなど、手応えを感じ始めている。

「検索してまで見たい」と思わせるサイトにするには

 「ストリーミング映像配信やFlashなど、情報の“見せ方”の部分はここ最近で大きく進歩しました。でも、人が検索してまで見たいと思うのは、見せ方ではなく中身。他よりも分かりやすかったり、他にはない情報さえあれば、動画制作やSEO(検索エンジン最適化)などにお金を掛けなくても人は見に来てくれます」(弘中社長)。

 クイズ事業のかたわら、Webサイトのコンサルティングも手がける弘中社長はこう話す。ただサイトを飾り立てるのではなく、わかりやすく伝えたり、時にはクイズ企画も行って、新しいことを知る喜びを感じてもらう。弘中社長はクイジング事業を通じて、そんなサイトを増やしたいという。

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