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Intel、TejasとJayhawkの開発中止は「デュアルコア化のため」

» 2004年05月08日 09時20分 公開
[IDG Japan]
IDG

 Intelは2005年末までに、ノートPCからSMPサーバに至るすべてのプロセッサをデュアルコアに移行させる。このために、従来のロードマップにあった二つのシングルコアプロセッサの開発を中止する。

 Intel広報担当のビル・カーコス氏によると、同社はロードマップから「Tejas」「Jayhawk」の両プロセッサを消し、これらをデュアルコア版に置き換える。デュアルコア版のコードネームは明らかにされていない。

 Tejasは現行のPrescott Pentium 4の後継となるはずだったプロセッサ。またJayhawkは、Nocona(Intel初の64ビット拡張機能付きXeon)に続いて登場する予定だった。これらプロセッサの開発に携わっていたエンジニアは、デュアルコアプロジェクトへ担当替えになったという。

 「利用動向から、デュアルコアの利点が以前より明確になった」とカーコス氏は説明している。

 デュアルコアプロセッサは、一つのダイに二つのプロセッサコアを載せる。この設計によって、高周波数コア1個ではなく、低消費電力コアを2個使って性能向上を図ることができる。

 Tejas、Jayhawkは、Presottよりさらに消費電力が高いと示唆する報道もあったが、両プロセッサ開発中止の決定は、量産に向けた開発・製造上の問題が原因ではないとカーコス氏。

 Intelに近い筋は、同社が主要アーキテクチャをNetBurst(現行Xeon/Pentium 4プロセッサのアーキテクチャ)からBanias(Pentium Mのアーキテクチャ)に移行させる計画だと伝えている(5月7日の記事参照)。情報筋とアナリストによると、BaniasはNetBurstよりはるかに低消費電力で、Pentium Mのデュアルコア化は、NetBurstコア2個の統合よりずっと簡単だという。

 だがIntelの計画に詳しいある筋は5月7日、初のデュアルコアXeon DPには、引き続きNetBurstアーキテクチャが採用されるようだと指摘した。その理由について同筋は、Intelは単に、長年頼ってきたアーキテクチャに多大な投資をしすぎていて、それを捨てきれないだけかもしれないとしている。

 消費電力の高いNetBurstコア2個の統合は、Intelにとって技術上の挑戦だ。しかしサーバベンダーは、PCベンダーに比べアーキテクチャの変更に消極的で、新アーキテクチャ検証のための追加の負担なしにデュアルコアに移行することを望んでいることもあると、この情報筋は説明している。

 Intelの広報担当はTejas、Jayhawkの代替となる新プロセッサに採用されるアーキテクチャ名を明らかにしていない。

 情報筋によると、ノートPC用の初のデュアルコアPentiumプロセッサとして「Yohah」が登場し、その後、「Merom」と呼ばれるプロセッサが登場する見通し。Meromは、ノートPC用の第2のデュアルコアPentium Mプロセッサ、あるいはデスクトップ/ノートPC用の初のデュアルコアプロセッサになるという。→関連記事

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