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» 2004年05月11日 16時55分 UPDATE

使いやすくなったWeb――7年前と何が変わったか

最新のWebユーザビリティ調査では、7年前と比べてユーザーが作業を達成できる確率が40%から60%台に向上。さらに検索の重要性が増し、検索エンジンからサイトにたどり着くケースが増えた。(IDG)

[IDG Japan]
IDG

 最近の調査によれば、あなたがこの次にアクセスするWebサイトで当初の目的を果たせる可能性は3つに2つだという。わずか7年前にはこの可能性が5つに2つに過ぎなかったことを思えば、これは悪くない数字だ。ただし、この調査から分かったのは明るいニュースばかりではない。インターネットの新規ユーザーは依然として情報過多に悩まされており、またサイト独自の検索には多くの改善が求められている。

 この調査の結果は、ほかの調査結果とともに今週開催のUsabilityWeek 2004カンファレンスで披露された。この調査は2003年後半にNielsen Norman Groupが実施したものだ。

 この調査は、69人のユーザーに25のWebサイトを訪問してもらう形で行なわれた。調査参加者のうち57人は米国在住、12人は英国在住で、男性と女性はほぼ同数、年齢は20代から60代まで。参加者には、例えば特定の情報を検索するといったWeb全体で実行する課題のほか、製品やカタログを注文するといった個々のサイトでの課題が課せられた。

 Web閲覧の経験が1年未満のユーザーは、経験の長いユーザーと比べて、与えられた課題をこなす成功率が低くなっている。サイト固有の課題の成功率は、経験の浅いグループと経験の豊富なグループでそれぞれ59%と72%、Web全体を対象とした課題の成功率はそれぞれ52%と67%となっている(課題の実行が不完全でも、場合によっては、ポイントが一部加算される)。

 全体的な成功率はサイト固有の課題が66%で、Web全体の課題は60%となっている。1997年に実施された同様の調査では、全体の成功率は40%だった。

検索エンジンが台頭

 調査報告書によれば、現在のWebと1997年のWebの最大の違いの1つは検索の重要性が増した点だという。Nielsen Norman Group代表のジェイコブ・ニールセン博士は、「今日のインターネットでは、検索エンジンがユーザーインタフェースになっている」と語っている。同氏はカンファレスのWeb Usability 2004セッションにおいて、同社のユーザー体験専門家ホア・ロランジャー氏とともに、この調査の結果に関するプレゼンテーションを行なった。

 調査結果からは、Webでの経験が増すにつれ、ユーザーはサイトのナビゲーションオプションには頼らずに、サイトの検索ツールを使って希望の情報を探そうとする傾向が見てとれる。またこの調査によれば、サイトに検索エンジンを経由してたどり着くケースが増えている。

 また一方では、ユーザーが1つのページにとどまる時間が減少している。つまりWebデザイナーにとっては、ユーザーを捕らえるための時間が短くなっているということだ。経験の少ないユーザー群の場合、検索エンジンからあるサイトにたどり着いてから、そのトップページにとどまる時間は平均35秒、サイト内のページにとどまる時間は平均で1分間。経験の長いユーザーの場合は、トップページとサイト内のページにとどまる時間はそれぞれわずか25秒と45秒となっている。

 「ユーザーは検索エンジンを経由してサイトを訪れ、ほんの少しの時間ですぐに立ち去るようになっている」とニールセン氏は聴衆のWebデザイナーらに対して語っている。

 Webユーザーが検索への依存を高めるにつれ、検索用語の選択はより正確なものになりつつある。1994年には、検索クエリの平均的な長さは1.3ワードで、検索の95%は1語か2語で行なわれていた。1997年には、検索クエリの平均的な長さは1.9ワードとなり、1語か2語での検索は77%となった。最新の調査では、検索クエリの平均的な長さは2.2ワードとなり、1語か2語の検索は72%にまで減少している。

 たとえユーザーのWeb検索が上達しても、依然として検索技術の改善は必要だとニールセン氏は指摘している。なぜなら、Web自体が成長を続けているからだ。「通常の学校の授業などで検索方法を教える必要があるだろう」と同氏は語っている。

 さらに同氏は、現状では、高度な検索オプションを活用しているのは検索エンジンのプログラマーか図書館員ぐらいだと指摘している。

改善の余地

 調査によれば、Web体験は改良されつつあるものの、まだユーザビリティには改善の余地が多いにある。

 最近では、Webデザイナーも余計なグラフィックスを排除し、インタフェースの慣習に従うようになっている。だがWebの新規ユーザーは依然として、提示される情報量に圧倒され、マウスを使ってサイト内を移動するという仕組みに四苦八苦している。一方では、経験を積むにつれて、技術と奮闘する時間は減り、課題の処理にあてる時間を増やせることになる。

 ニールセン氏は改善の必要がある分野として、個々のサイトの検索機能を挙げている。調査参加者がある人気エンジンで行なった検索では56%が成功している一方で、個々のサイトの検索ツールを使った場合は33%しか成功していない。

 「全くおかしな話だ」とニールセン氏は語っている。なぜなら、検索エンジンは何百万というページを処理しているのに対して、個々のサイトの検索で扱うページはせいぜい数千ページ程度のはずだからだ。

 さらにWebユーザーは、信頼できるコンテンツの判別にも苦労している。「ユーザーにとって、良い情報とまずい情報を区別するのは難しい。中には、優れたコンテンツ編集者のいないサイトもある」とニールセン氏。

 もっとも全体的には、ニールセン氏はWebのユーザビリティについては楽観的だ。Web設計の慣習が確立すれば、企業はこれまでほど頻繁にはサイトの完全な再設計を行なわなくなり、マルチメディアやコラボレーションなどの新規ツールの開発により多くのリソースを割り当てられるようになるはずだと同氏は指摘している。「既にわれわれは大いなる進歩を遂げている。今後も前進を続ける限り、うまくやっていけるはずだ」

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